ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」(4月21日放送)にジャーナリスト・須田慎一郎が出演。大阪府が国に要請した緊急事態宣言について解説した。
大阪府が緊急事態宣言の発出を国に要請
大阪府は新型コロナウイルス対策本部会議を開き、感染拡大に歯止めをかけるため、政府に緊急事態宣言を発令するよう要請することを決め、4月20日夜、正式に要請した。
垣花)大阪の緊急事態宣言の措置について、須田さんはどうお考えですか?
やり方を変える必要がある~飲食店以外に感染ルートがある
須田)大阪がやろうとしていることをきちんとメディアが伝えられてないのですが、2020年から2021年にかけての2回の「緊急事態宣言」、それから「まん延防止等重点措置」、これが“まったく間違っていた”ということです。結果を出すことができなかったから、「やり方を変えましょう」ということなのです。
垣花)やり方を変える。
須田)どういうことかと言いますと、やはり飲食店が感染源ですよと。飲食店で会食をすることによって感染リスクを爆発的に高めるわけだから、飲食店に対して営業時間の短縮要請をしていましたと。ところが、それをやっても効かないのです。むしろ感染者数は増えている。感染症対策のいろはは2ステップあるのですが、いちばん上のステップというのは、「感染源の特定と感染ルートの特定」。そして2番目に「感染ルートの遮断」。これをやらなくてはならない。だから飲食店の時間短縮をやってもらうことによって、感染ルートを遮断しようと、感染源を抑え込もうということをやったのだけれども、それでも拡大するということは、他に感染ルートがあるのではないかということです。
垣花)飲食店だけではないのではないかと。
「疑わしいところは全部営業停止にしよう」というのが今回の大阪の措置
須田)ところがそれがどこか特定できないから、わからないから、全部やってしまおうと。感染ルートそのものを全部遮断して行こうということなのです。
垣花)「人が接するということ自体なのだ」ということで言うと、飲まなくても、人が集まっている場所、イベントや遊興施設、百貨店もそうです。それを「全部一旦やめようではないか」という措置なのですね。
須田)そう、「疑わしいところは全部営業停止にしようではないか」というのが、今回の投網を掛けているような状況なのです。
垣花)大阪はそれをやろうとしているのですよね。大阪がそれをやれば国が認めると、多分東京も同じことをやります。
医療崩壊して重症患者が溢れて、再度緊急事態宣言を求めざるを得ない大阪
須田)ただ、そこが微妙なのです。大阪府では医療崩壊が発生しています。重症患者の数が重症者向けのベッド数を上回ります。重症患者が50人近く溢れているのですけれども、それについては中等症のベッドや、それ以外のところで対応している。重症患者はどういう人かと言うと、集中治療室に入っている人。ECMOや人工呼吸器を必要としている人です。そういう機器が必要なのに、中等症の患者のところに入れてどうなるのだと。つまり場合によっては、こんなことが起こって欲しくないけれども、本来だったら救える命が救えなくなるという状況が、もう大阪では現実になっているのです。だから大阪はこういうやり方をやらざるを得なかった。では東京はどうかと言うと、まだ重症者向けベッドは余裕がある。だからなぜ小池都知事が慌てて緊急事態宣言の発出を国に求めるのかわからないのです。
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