自治体によって接種の“やり方”が違うその実態~新型コロナワクチン

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月28日放送)に数量政策学者・内閣官房参与の高橋洋一が出演。各自治体における新型コロナワクチン接種の実態について解説した。

自治体によって接種の“やり方”が違うその実態~新型コロナワクチン

新型コロナウイルスのワクチンを接種する医療従事者(左)=2021年2月17日午前9時16分、東京都目黒区の国立病院機構東京医療センター(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

東京の大規模ワクチン接種会場~総理が防衛大臣に開設を指示

新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、菅総理は4月27日、国が開設する東京の大規模な接種会場について、自衛隊が設置と運営にあたるよう岸防衛大臣に指示した。東京の会場は5月24日を目標に開設し、3ヵ月間、医師や看護師の資格を持つ自衛隊員が接種を行う方針。

飯田)1日1万人規模だということですが。

なぜ自衛隊か

高橋)東京と大阪の感染者数が多いですから、ワクチンというのは感染地域からやるのがセオリーです。それにはかなっている話です。「どうして自衛隊か」という話になるかも知れませんが、率直に言うと、厚労省傘下の医師の協力がなかったからだと思います。だから自衛隊が出るということになってしまったのでしょう。

飯田)なるほど。

高橋)このようなワクチンや防疫というのは有事です。「ダイヤモンド・プリンセス号」というクルーズ船のときも、自衛隊の方が頑張られたではないですか。だからある意味で、当たり前と言えば当たり前なのです。

飯田)現場のお医者さんなどからメールなどもいただきますが、「個別接種中心でうちの自治体はやろうとしていて、それだとなかなか進みが遅くなりますよね」というようなことが言われてもいます。

予防接種法改正以来、集団接種のノウハウがない自治体

高橋)20年以上前に予防接種法が改正されて、任意接種にしてから集団接種をやらなくなってしまったので、自治体のノウハウがないのですね。昔であれば、地元の医師会の人たちで集団接種を年行事のようにやっていたから、すぐにできたのですが、最近はやっていません。

飯田)学校でも集団接種はなくなってしまった。昔は保健室の前や体育館にずらっと並んでやりました。

高橋)それがなくなってしまったので、ノウハウがないのです。

自治体によって接種の“やり方”が違うその実態~新型コロナワクチン

FRANCE - HEALTH - VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas via AFP Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. 写真提供:時事通信社

厚生労働省などのやっているスキームでは動かない

飯田)結局、他のスキーム、厚生労働省などのやっているスキームだとなかなか動かないという。

高橋)動かないですよ。私も「医療体制崩壊」と聞いて、「あんなに医療費を付けているのにどうして?」といつも思っています。そうすると、公立病院や医師会の方の医師の体制だと言うのだけれども、「1年前から同じことを言っているではないか」と言っていますが、動いてくれない。そうすると、今回のように自衛隊がやるということになる。有事ですから、ご活躍いただくということで、いい意味でコロナ対策ができるのではないかと思います。

新型ワクチンの接種会場は住んでいる自治体のHPで確認できる~基本的には歩いて行ける場所

飯田)メールもいただいています。“とみこ”さん、67歳の主婦の方、千葉市緑区からです。「高齢者を対象に、大規模なワクチン接種会場を東京のど真ん中につくると発表しましたが、近くの方ならいいけれども、埼玉・千葉・神奈川の高齢者が出向くには負担が大き過ぎます。電車に乗り、密になりそうな会場。そこまで高齢者が出向くでしょうか。誰が考えたのか、菅さんのパフォーマンスとしか見えません」と。

高橋)千葉や埼玉などは、原則は地元で接種をするのだと思います。自分の自治体のHPを見ればわかります。「接種券はいつから配ります」、「いつから予約して、いつから打ちます」ということも書いてあります。75歳以上でしたら、その目途が立っているところは書いてあると思います。65歳も大体書いてあります。ワクチン接種のニュースを見るときに、まず自分の自治体のHPを見た方がいいです。

飯田)大前提としてのスキームが、上から下ろして自治体が実務をやるということになっているから、自治体ごとにバラバラで……。

高橋)はっきり言ってバラバラです。

飯田)先日、河野ワクチン担当大臣にインタビューしたときに、ものは来ますと。ゴールデンウィーク明け、週1000万ショット分来るのだと。あとはそれをどう捌いて行くかのところで、いろいろな自治体によって、それぞれの事情が出て来ますという話をしていました。そこを何とかするためにも、国としてやれることというと、これしかない。

高橋)これしかないし、接種券が来たときに、どこで接種するのかわかります。私の自治体のところも、「接種券に全部リストがあります」と書いてありました。それまではわからないですよね。いつものかかりつけ病院でできるときもあるし、そうでないときもあるし。でもたくさんの場所でやるので、基本的には歩いて行けるところです。

自治体によって接種の“やり方”が違うその実態~新型コロナワクチン

【高齢者ワクチン接種・天理市】高齢者の新型コロナワクチン接種が開始された=2021年4月12日午後、奈良県天理市 写真提供:産経新聞社

自治体によってやり方が違う

飯田)ニッポン放送でも、お昼の11時20分からワクチン接種情報を特集でやっています。取材をして、原稿をつくるスタッフがいますが、「自治体によって、すでに全部組みあがっているところもあれば、“まだ何も決まっていません”と言うところもあって、こんなに違うのですね」という話を聞きます。

高橋)違いますよ。ノウハウがないから、違いが出てしまうのです。配り方も、小分けしてやるとか、いろいろなやり方があるので、それは自治体の自分が住んでいるところを見ないとわかりません。

飯田)自治体ごとに規模も人口も違う、というところもあるだろうし。

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