ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月3日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型コロナウイルスワクチンの東京・大阪の大規模接種会場での接種について解説した。
接種のスピードを上げたい政府の強い意欲の表れ
米モデルナ社製の新型コロナウイルスワクチンの製造販売について、政府は5月21日にも承認する方向で調整に入った。承認されれば、ファイザー製のワクチンに続いて2例目となる。
飯田)読売新聞オンラインも5月1日付けで報じています。今後、承認の方向ということは言われていましたが、具体的な日付が出て来ました。
須田)かなりスピードアップして来ましたね。WHOが4月30日に、緊急使用という形での承認を出したことを受けての措置なのですが、やはりこれは「どんどんワクチン接種のスピードを上げて行こう」という政府サイドの強い意欲の表れでしょう。これをやらないと集団接種というか、東京と大阪の2会場で大規模接種を行う仕組みにおいて、このモデルナ製を使う予定になっていますから、それに合わせる形になったのだと思います。
世界標準に合わせて行く必要がある接種のスピード
須田)日本ではワクチン接種率が異様に低いではないですか。ただ大前提として、いま日本では緊急事態宣言が発出されていますが、収束をみたロンドンの感染者数の水準と一緒なのですよ。だから海外サイドから見ると、「何をそんなに慌てているのか」という状況ではあります。とは言っても、ワクチン接種を進めて行く必要がある。これから国境を開けて人の流れを再開させなくてはならない、海外渡航も進めなくてはならないというなかで、世界標準に合わせて行く必要があるのかなと思います。そこが合わないと、日本はいつまで経っても閉鎖された状況になってしまいますからね。やはりワクチン接種のスピードを、世界標準まで上げて行く必要があるのだと思います。
飯田)2月くらいから医療関係者の先行接種が始まって、4月の半ばから高齢者向け接種が始まりましたが、「本格的にやるのはゴールデンウィーク明けだ」と河野ワクチン担当大臣もおっしゃっています。体制づくりの部分がどこまでできるかですよね。
自衛隊だけで十分か 日本の接種スタッフ数の問題
須田)課題として上がって来たのは、一体誰が接種をするのかということです。接種するスタッフの数が果たして足りるのか、というポイントがあります。例えばイギリスなどでは、医療従事者ではない一般人が、ボランティアとしてオンラインで講習を受けて接種するという仕組みをつくっています。アメリカではドラッグストアで接種できるという仕組みや、他の国ではドライブスルースタイルで接種するというところもあります。日本の場合は、その辺りを見直さなくていいのかということが、課題として出て来ると思います。外国においても軍隊が接種をするというのはよくあるケースですが、今回は自衛隊ということで、果たしてそれで十分かどうかも考える必要があると思いますね。
飯田)その辺りの人繰りの確保などが、各国では有事対応として、なりふり構わずやるという感じです。そこの判断をどうするのか。
須田)加えて日本の場合は、ワクチンや薬害の問題が過去にあったものですから、その辺りは厚労省サイドも慎重になってしまうのだと思いますが、そのバランスをどうとるのか。要するに、行政としてどう考えて行くのかというところが、1つポイントになると思います。すでにワクチン接種後に死亡した人が、何人か出ていますから。
飯田)ワクチン接種後に亡くなられている方が。
須田)そのことに対する危機感やリスクを国民が感じている以上、どうバランスをとって行くのかというのは問題だと思いますね。
飯田)因果関係については不明であったり、おそらくは関係ないだろうとも言われていますが、その辺りも含めてきちんと広報して行かなくてはならないということでしょうか。
須田)そうですね。広報というか、きちんと情報発信をして行く必要があると思います。
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