ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月18日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。外務省がパレスチナのガザ地区とその周辺地域に危険情報の最も高いレベル4(退避勧告)を出したというニュースについて解説した。
外務省がガザ地区の危険情報を最高度のレベル4に引き上げ
外務省はイスラエルとの戦闘が激化するパレスチナのガザ地区とその周辺地域について、危険情報を最高度の「レベル4」(退避勧告)に引き上げた。現地に滞在する邦人に対して退避を促すとともに、「渡航はどのような目的であれ、やめてください」と呼びかけている。
飯田)ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスのロケット弾発射に対して、イスラエル軍が空爆を続けていると。もう1ヵ月以上になりますか?
いまになっての退避・渡航禁止は遅過ぎる
クラフト)ここへ来て、5月17日になっての退避や渡航禁止も遅いのかなと思います。4月12日にラマダンが開催されて、4月23日に100人の負傷、催涙ガスなどが使われて警察が入って来た。4月25日にはミサイルが5発。5月7日には200人負傷。5月9日にミサイル6発。5月10日には130発という状況です。そして5月10日~16日の間で2900発のミサイルが飛んでいるのです。それで1週間後の17日に退避というのは、遅かったのかなという感じがしますね。
飯田)どこかに気を遣っているのでしょうか?
クラフト)「紛争があったから退避を」ということをいちいちやっていたら、それは大変ですので、そこを慎重に見極めたということでしょう。しかし、国民の命を考えたら、早めの措置でもよかったのではないでしょうか。
防衛副大臣による「私たちの心はイスラエルと共にある」という不用意なツイート~現地にいる日本人を危険に晒すことに
クラフト)もう1点、日本の政府高官である防衛副大臣がツイッターで「私たちの心はイスラエルと共にある」というツイートを投稿したのですけれど、こういう投稿は現地にいる日本人にとって危険な行為なのですよ。
飯田)現地の日本人に。
クラフト)ハマス、あるいはパレスチナにとって「日本は反パレスチナなのだ」と。そうなると「日本人を狙え」というようなことになりかねない。やはり政府は中立な立場を取らなければいけません。こういう発言はいかがなものかと思いますね。
飯田)そこの部分まで意図せず不用意な発言をしてしまった可能性があると。
クラフト)そうです。弁明として「個人的な意見です」と言うのです。そうであれば「私たちの心は」とは言わず、「私の心は」でいいはずです。これは現職の防衛副大臣として配慮に欠ける発言だったのではないかと思います。
残念なバイデン政権の消極姿勢
クラフト)もう1つ、アメリカ人として残念なのは、バイデン政権の消極姿勢、あるいはイスラエル擁護、国連での声明否決です。
飯田)安保理での。
クラフト)こういう姿勢が現地での紛争を助長してしまっているというところは非常に残念です。ここは各国政府の中立な立場から、双方に停戦を促すべきです。そこで話し合いをして行けばいいのに、各国の足並みが乱れていること自体が問題だと思います。
飯田)先ほど速報が入って来ました。バイデン大統領は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、パレスチナ側との戦闘に関して、「停戦を支持する」との立場を伝えました。ホワイトハウスが発表しております。イスラエル側の反応は不明だということです。イスラエルの自衛権は支持するという一連の報道などもありましたが、まずは「停戦をしろ」というメッセージをここへ来て出したということですね。
クラフト)遅過ぎますね。
飯田)遅過ぎる。
クラフト)イスラエルの自衛権は当然ですけれども、停戦に関しては双方の命に関わる問題ですから、それを17日に発表すること自体が遅過ぎると私は思います。
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