入管難民法改正 政府・与党が断念した2つの理由~1つは「選挙」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月25日放送)にジャーナリストの有本香が出演。今国会での成立が断念された入管難民法改正案について解説した。

入管難民法改正 政府・与党が断念した2つの理由~1つは「選挙」

東京入国管理局 建物 外観 看板=2018年12月7日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

入管法改正断念

政府・与党は5月18日、外国人の収容や送還のルールを見直す入管難民法改正案の今国会成立を断念した。

飯田)5月18日に断念という方針が決まったようです。

有本)なぜやらないのでしょうか。いろいろと理由はあると思います。朝日新聞や毎日新聞、東京新聞など、左派系のメディアでキャンペーンが張られていた。特に朝日新聞は、私が調べたところでは、法案が閣議決定されて「国会に出るぞ」となったのが2月19日なのですが、そこから約3ヵ月の間に60本以上の記事を書いています。

今国会での成立を断念した2つの理由~選挙と少年法の改正

有本)さらに、3月に亡くなったスリランカ人女性の件で勢いがついて、SNSなどでも野党を中心にキャンペーンが張られた。ここで煽られている世論に及び腰になってしまって、これをまた「強行採決だ」と言われるような状態で採決してしまうと、選挙に差し障るということでやめた。また、今国会では少年法の改正も法務省の案件としてあります。そちらは何としても通したいということで、優先順位が下がってしまったようです。

殺人者でもテロリストでも難民申請を出していれば、強制送還が停止されてしまう

有本)しかし、これはそれほど簡単な問題ではなくて、次の国会で出せるのかなど、いろいろなことがあります。簡単に言えば、いまの入管難民法だと、日本で3~7年の懲役刑の判決が出ている人、7年だと殺人罪の場合もありますが、そのような人でも、本人が難民申請をしていると一律で送還が停止になってしまうのです。殺人犯であろうがテロリストであろうが、日本政府に対して難民認定の申請を出していれば、誰も彼も一律で強制送還が停止になってしまう。つまり、日本国内にいるということなのです。

飯田)国外退去をさせられない。

有本)それからもう1つ問題になっているのが、基本的に退去を拒んでいる人というのは、入管の収容施設にいます。そもそも入管収容施設というのは、「帰るまでに2~3週間いてくださいね」という場所に過ぎないのです。

飯田)帰るまでの間。

有本)ここに溜まってしまって、もう何ヵ月もいるという人が出て来てしまっている。本来それほど長くいるはずではない場所に何ヵ月もいるという、このこと自体が問題なのですが、俗に人権派と言われる人たちは、その「長期収容の間に人権が侵害されているのではないか」と、「外国人と言えども同じ人間ではないか」というような論法で来るのです。

日本の安全が脅かされることに

有本)外国人も同じ人間です。しかし、そもそもオーバーステイをしているとすると、それは不法滞在なので、日本の法に触れているのです。強制退去を命じられるということは、日本として「ここに在留してもらうのにふさわしくない」と認定したわけではないですか。その人たちも同じ人間なので、「基本的人権がない」とは言いませんが、それをあまりにも強調し過ぎると、先ほども言いましたけれど、テロリストでも難民申請をすれば日本に留まれるのです。すると、日本人の安全はどうなるのかということにもなります。この法律は非常に大きな穴があるので、一刻も早く改正をするべきだったのです。

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