医者がオンライン診療を嫌がる本当の理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月9日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。河野太郎規制改革担当大臣が規制改革の実施計画に盛り込む方針を表明したオンライン診療の恒久化について解説した。
オンライン診療恒久化を規制改革の実施計画に
河野太郎規制改革担当大臣は6月8日の記者会見で、初診からのオンライン診療の恒久化を規制改革の実施計画に盛り込む方針を表明した。オンライン診療は新型コロナウイルス対応の特例として認められて来たが、収束後も続け、一時的ではなく持続して行う方針へと転換ということで、18日にも閣議決定する方針である。
飯田)オンラインでは診察や検査に制約があると言われておりますが。
オンラインだと他と比較されてしまうので嫌がる
高橋)以前も新型インフルエンザのときに似たような措置をやったのだけれども、当時は一時的な特例ということでやったのですが、戻してしまったのです。これをやるとお医者さんはかなり嫌がるのです。やりにくいと言うのだけれど、オンラインでやると他のお医者さんと比較できてしまうのですよ。これは大学の先生も一緒で、オンラインで授業すると比較できてしまう。「教えるのが上手い、下手」がすぐわかるのです。それが嫌なようです。
飯田)なるほど、横一列で見られてしまう。
高橋)そうなのです。実際にオンラインでなければ、1人の人が全部行くなんて無理でしょう。
飯田)そうですよね、難しい。「初診だと、どういう人かもわからないので、対面でないと判断ができないのです」と言う方もいらっしゃいますが。
高橋)そういうものもあるのだけれど、「対面したらわかる」という問題でもないしね。
オンラインの診療は受診料が対面と比べて安い~高くすればいいだけの話
飯田)オンラインでの診療だと、受診点数、診察料が対面に比べて安いのだという指摘があります。
高橋)あまり普及させたくないからでしょう。高くすればいいだけの話です。要するに、おそらく設備費を考えると、コストは少しかかると思います。でも同じように診ているのでしょう。時間等も一緒だし、それであれば、少し高くしてもいいのではないでしょうか。患者さんにしてみれば、わざわざ行く必要がないのだから、少し高くてもいいのでは。
自宅で受診できるのだからオンライン受診は高くするべき
飯田)その分のサービス料的な上乗せ。
高橋)家に居ながら受診できて、行き帰りの時間もないのだから、少し高くてもいいのではないですか。オンラインが少し低いということは、やりたくないということなのですよ。
「現状維持が望ましい」という医者が多い
飯田)診療報酬の扱いは厚労省のなかではどうなのですか?
高橋)難しくないと思います。こんな話は。
飯田)「現状維持の方が望ましい」という人たちが、いまはまだ多いということですか?
高橋)お医者さんが比較されるのが嫌だというところはありますよ。それが嫌だから、こういうものをやりたがらないというのが根っこにあるのです。いろいろな話が出て来るのだけれども、この際、オンラインでも別にいいではないですか。患者の方も「オンラインでいい」と言えば、それで終わりでしょう。対面と言っても、遠くでオンラインしかできないとなったら、そうなるではないですか。
飯田)そうですよね。都心近辺に住んでいると、いろいろな病院にかかることができるところもありますが、地方・島嶼部などでは。
高橋)無理でしょう。これは技術的なものですからね。対面とオンラインが両方あって、どちらも差別的にならなければいいという、それだけでしょう。
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