ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月16日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。「土地利用規制法」が参議院本会議で成立したニュースについて解説した。
「土地利用規制法」が未明の参議院本会議で可決・成立
自衛隊の基地や原子力発電所など、安全保障上重要な施設の周辺の土地利用を規制する「土地利用規制法」は、6月16日未明の参議院本会議で自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決・成立した。
飯田)野党側は、この法案を審議した内閣委員会の委員長の解任決議案、または議院運営委員長の解任決議案などを相次いで提出し、採決に抵抗したのですが、未明にずれ込んだ上で可決と。16日が国会の会期末ということになります。ギリギリでというところです。
高橋氏を「呼ぶ、呼ばない」で審議がストップしたことも
高橋)この法案自体は世界の標準ですし、普通はもっと厳しいですよね。私も議員立法に関わったことがあって、やっていたのですが、議員立法では全然できなくて、菅政権では内閣提案の閣法で出すということで、ようやく成立したのです。これには個人的にも思い入れがあります。私の発言で衆議院内閣委員会が、私を「呼ぶ、呼ばない」で1週間くらいでしょうかね、この土地利用法がストップしたのです。
飯田)そうでした。本来は衆議院内閣委員会で審議が始まるという日に、「高橋参与を呼べ、呼ばなかったら一切審議に応じない」と。
高橋)あれは理解できなかったですね。どんな発言をしても関係ないでしょう。それを材料にして審議しないという、こんな酷いことをするのかと。「税金の無駄遣いだ」と叫んでしまいましたよ。
飯田)確かに。
高橋)でも、ギリギリ通ったので、「よかった」という感じです。これでもし私がもう1度抵抗して、本当に時間切れで廃案か継続審議になったらどうしようかと正直言って思っていました。
飯田)結局、「この法案を審議させないぞ」という入り口で抵抗し、そして最後に出口のところでは解任決議案を連発してと。
高橋)ごく普通の話ですよ。私権制限がどうのこうのと言っても、どこの国でもやっていることです。
与野党一致でなくては審議できない議員立法
飯田)先ほど議員立法という話が出ましたけれども、議員立法でやろうとすると、基本的に与野党一致のものでないと審議ができないというのは、慣例があるのですか?
高橋)変な慣例があるのです。国会は全会一致でなくてはいけないものが多いのです。決議案もそうでしょう。全会一致でなくてはいけないというのは、理解できないですよ。
公明党の反対で決議できなかった人権についての非難決議
飯田)人権についての非難決議ですが、これは野党、そして自民党もOKだったものです。基本的に中国、新疆ウイグルなどを名指しにしているものですが、今回は公明党の反対で今国会では決議できないということになってしまった。
高橋)決議なのだから、「どこの党が賛成・反対」でいいではないですか。「賛成・反対」がわかった方が有権者にとって、より情報として意味があると私は思いますが、全会一致でなくてはダメだという慣例が多くて、国会は機能していませんね。
対決型になりそうな法案は閣法、内閣提出の法案以外では事実上出せない
飯田)結局、議員立法で出そうとするとそういうことが起こるから、こういう対決型になりそうな法案というのは、閣法、内閣提出の法案以外では事実上出せない。
高橋)事実上出せないのです。そこも変ですね。出して、賛成・反対がいていいと思うのですが。全員が一致するなんてことは、ほとんどないのです。全会が一致するなど、どうでもいい法案しかなくなってしまうのです。
飯田)それか、理念的な法案であるとか。
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