イラン大統領選挙~保守強硬派のライシ師が当選した“本当の理由”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月21日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。イランで行われた大統領選挙について解説した。

イラン大統領選挙~保守強硬派のライシ師が当選した“本当の理由”

18日、イラン・テヘランで投票後に演説をするライシ師。イラン内務省は19日、ライシ師が同国の第13期大統領選挙で当選したと発表した。(テヘラン=新華社配信)=2021(令和3)年6月20日 新華社/共同通信イメージズ

保守強硬派が選ばれたのは経済問題から~国際社会がイランとどう向き合うか

ロウハニ大統領の任期満了に伴い6月18日に行われたイラン大統領選挙で、イラン内務省は19日、イスラム法学者で保守強硬派のライシ師が当選したことを発表した。保守強硬派の政権が誕生するのは8年ぶりである。

飯田)穏健派と言われていたロウハニさんの任期満了に伴って行われた選挙。8年前と言うと、アフマディネジャドさんという革命防衛隊から出た人で、相当強硬派だった人でしたが、そこに戻って行くのでしょうか?

須田)曲がりなりにも通常の選挙が行われているという前提で言うと、有権者が強硬派を選んだことには、かなりショックを受けるのですが、それはなぜかと言うと、中国と同様に経済問題なのです。

飯田)経済問題から。

須田)社会の変化という点で言うと、「徐々に許せる範囲のなかでイスラム色を薄めて行こう」というのが、国民の希望なのですが、経済が大きく疲弊しているなかで、国民の生活が相当落ち込んでいるのです。それに対する不満で強硬派を選んだということです。核開発だけでなく、中東の反体制派、ゲリラの影の支援者と言われているイランと、国際社会はどう向き合って行くのかというところを考えると、イラン経済の問題をどうするのかというところも合わせて考えるべきです。ただ単純に核開発をやめさせようとか、テロ支援をやめさせようということだけでは、収まりがつかないのではないかと思います。

イランに危機感を持つイスラエル~政権交代で微妙な状況に

飯田)いま特にアメリカから制裁がなされているということで、石油の売買代金の凍結がかなり効いて来ていると言われています。その辺りと、ヒズボラなどへの資金援助をどう取り締まるかということに、アメリカも判断を迫られるということですか?

須田)そこにいちばん危機感を持っているのはイスラエルです。特にイランの強硬派の場合は、イスラエルの存在を認めないというところになっていますから、今後のイスラエルの動きにも注意して行かなくてはならない。イスラエルは政権交代があって、比較的穏健な体制になったのですが、これもガラス細工のようで、いつ政権が倒れるかわからないというところがありますから、微妙な状況に入って来たと思います。

飯田)そして、我が国はエネルギーをそこに頼っていると。他人事として見てはいけないわけですよね。

須田)イランとそういうパイプがあるのは日本だけですからね。

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