新型コロナがここまで拡がってしまったことが示す、“火元”中国の強権主義の「脆さ」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月10日放送)に日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が出演。WHOが中国シノファーム製のワクチンに緊急使用を承認したというニュースについて解説した。

習近平国家主席=2020年6月22日 Avalon/時事通信フォト 写真提供:時事通信

WHOが中国シノファーム製ワクチンの緊急使用を承認

世界保健機関(WHO)は5月7日、中国のシノファームが開発した新型コロナウイルスワクチンに緊急使用許可を出したと発表した。中国製ワクチンがWHOの承認を受けるのは初めて。

飯田)中国製は初めてということですが、WHOからお墨付きをもらったワクチンはこれで6つ目になるそうです。

秋田)中国では日本のコロナ対応がうまく行っていなくて、東京五輪の開催に批判が集まっているという報道がありますが、コロナが山火事だとすれば、ウイルスの起源はわかりませんが、ボヤが起きてしまったのは中国です。その意味では、「あまり中国に言われたくないよね」と思う方もいると思います。

飯田)そうですよね。

秋田)その延長で、「中国が開発したワクチンを自分の外交に利用しているのではないか」という批判も出ています。ただ、感情論は別にして、欧米がワクチンを抱え込んでいるのですから、中国製やロシア製のワクチンも承認されて普及すること自体は、歓迎すべきことではないかとは思います。

飯田)人類全体のことを考えれば。

秋田)はい。しかし、その上で、中国は数え方によっては、70ヵ国ぐらいに無償も含めてワクチンを供与している。しかし、中南米などでは有効率が約50%程度になっているなど、いろいろな問題が起きています。それをWHOがとりあえず承認して、有効率が79%に上がった。

飯田)WHOの認識では79%だということです。

中国がワクチンを世界中に配布できる現状~監視によってコロナを抑え込んでいるため

飯田)欧米各国が抱え込んでいる部分が、中国製やロシア製のワクチンにチャンスを与えているというところもありますか?

秋田)そうですね。中国は火元だったわけですが、強制的な個人監視システムによって、いまや行動だけではなく、体の皮膚のなかの状態、つまり体温などをアプリで監視して抑え込んでいる。抑え込んでいるから国内でワクチンを消費せずに済んで、輸出できているのです。この問題はワクチンの開発能力だけでなく、「ウイルス、パンデミックに対して民主主義がどのように対抗して行くのか」ということだと思います。もちろん、対抗できるとは思いますが、いまは劣勢にあると言わざるを得ないという状況が、中国がワクチンを世界中に配布できる現状を生んでいると考えられます。

各地に対策チーム派遣  新型肺炎の“発生源”とみられ、閉鎖されている中国湖北省武漢市の海鮮市場=2020年1月17日(共同) 写真提供:共同通信社

新型コロナにおける民主主義体制と権威主義体制のそれぞれの強さと弱さ

飯田)欧米各国が抱え込んでいるではないかという批判も出ています。抱え込むという行為そのものも、外に出してしまったら自分の国が足元で何を言われるかわからないという、その辺に民主主義の意思決定の部分がありますか?

秋田)それはあると思います。いま問題になっているのは、特許を解除していろいろな国が欧米のワクチンをつくれるようにするべきかどうかということです。これもバイデン大統領が発表しましたが、ドイツのメルケル首相など、自分の国に製薬会社がある国は反対する。民間企業、日本で言えば塩野義製薬さんなどがやるので、そこも民主主義体制の国のワクチン製作と、鶴の一声で決められる国との違いが少しあるかなと思います。

トータルでは民主主義は負けていない~初期段階で抑えられなかったのは表現・報道の自由のない強権主義であったから

飯田)いまのワクチンのフェーズでは、権威主義的な国のほうが、いい部分がクローズアップされてしまう。

秋田)そうですね。ただ、強調したいと思うことは、このウイルスがなぜここまで拡がってしまったのか、なぜ山火事は起きてしまったのかということを考えると、民主主義ではない国の弱さがあると思います。報道の自由や表現の自由がないので、お医者さんが初期段階で「これはコロナウイルスだ」と言っているのに、「そのようなことを発言するな」と李文亮さんは拘束され、最後にはコロナで亡くなった。民主主義体制であれば、すぐに情報が拡散して報道され、政府もすぐに動いて封じ込められたと思います。現状として、山火事を起こしてしまったのは強権主義であったからで、民主主義であればボヤで消し止められたと思います。ですので、トータルでは決して負けていないと思います。

飯田)そこを見誤ってはいけませんよね。

秋田)山火事を発生させる危険は、かつてソ連の時代にチェルノブイリ原発事故が起きましたが、やはり早期発見で対応できないという意味では、「強権主義は非常に脆い」ということをコロナ危機が示しています。起きたあとの対処は強権主義だから早いだけで、決していまの状況は民主主義体制が劣っているわけではないと思います。

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