千葉県のワクチン接種体制〜高齢者への新型コロナワクチン接種率が「全国ワースト2位」から改善した理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月23日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。千葉県でのワクチン接種体制の現状について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

1都3県ワクチン接種体制の現状~千葉県の状況

6月21日~25日は「1都3県ワクチン接種体制の現状」と題し、日々、刻々と変わるワクチンの接種体制や自治体の取り組みについて、「現時点での状況」を特集する。今回は千葉県の現状について。

高齢者への接種率~全国ワースト2位から「接種率47%以上」へ改善

飯田)今回取り上げるのは千葉県です。5月23日に総理官邸が発表した、千葉県の高齢者への新型コロナワクチンの1回目の接種の割合は「全国ワースト2位」という不名誉な記録で、4.3%でした。県内の市町村でも、首長さんたちが連名で河野担当大臣や熊谷県知事ら国と県のトップに向けて、「7月末までの高齢者接種完了は大変困難である」という要望を出すほどでしたが、1ヵ月が経った現在はどうかというと、「1回目を終えた高齢者の割合47%以上」と、他の自治体と比べても遜色ないほどまでに急ピッチで追随しています。

75歳以上の市民に「4月中旬以降コールセンターまでお問い合わせください」と電話番号を案内したチラシを同封した接種券を送り、電話が殺到してしまった市川市

飯田)どうやってこの出遅れを挽回し、追いついて行ったのか。各自治体でさまざまな取り組みを行っていますが、象徴的なのが市川市です。市川市は4月15日に75歳以上の市民約6万人に対して、「4月中旬以降コールセンターまでお問い合わせください」と電話番号を案内したチラシを同封した接種券を送ったのですが、「予約できるんだ」と思った1万人の市民から電話が殺到して、パンクしてしまいました。

5歳刻みにグループ分けをし、それぞれのグループが5日おきに予約をスタートさせる枠組みで改めて告知

飯田)この誤った案内を送ってしまったのは、政府のスケジュールを鵜呑みにしたことと、大量送付の関係上、早めに印刷しなくてはならず、ワクチン分配の遅れに文言が対応できなかったことによるのだそうです。大混乱と苦情が殺到したので、市川市はスケジュールと予約方法を組みなおし、5歳刻みに改めて「85歳以上、80歳以上、75歳以上」とグループ分けをした。それぞれのグループが「5月12日、17日、22日」と5日おきに予約をスタートさせるという、わかりやすい枠組みをつくって、改めて郵送で告知をしました。

明解に年齢別に日付を公表したことで混乱が収まった

飯田)これが安心感を生んだようで、これ以降の混乱は起こらず、予約と接種は順調に進んでいるということです。60歳~64歳の方は、7月21日から予約の受付開始。16歳~59歳の方は8月2日からと。先ではあるのですが、明解に日付を公表しているため、「自分はここまで待てばいいのだな」という見通しがつくことで、混乱が収まった。実際にやらなくても、そういうアナウンス効果のようなものはあるのですかね。

高橋)スケジュールを言ってもらった方がいいですよね。何でもそうだと思いますが、時間をはっきりさせるのはいいですよね。

接種会場を早期に大量確保することで接種が進んだ千葉市の場合

飯田)一方で、接種場所を早期に大量確保することで接種が進んだのは、千葉市です。県全体の接種率は低迷しているなか、千葉市は全国平均の1.5倍近くにのぼったと。市の医師会との連携で、医療機関353ヵ所の個別接種をメインとして予約と接種が進んだことが理由でした。

6月からは集団接種会場を増やし、7月からは若い世代の接種も

飯田)2月24日に既に発表していたということで、いまの県知事の熊谷さんが市長時代に行った最後の大きな仕事だったようです。かなり早い段階から動いたということで、蓋を開けてみると、接種はある程度順調に進んでいたのですが、かかりつけ患者しか受け付けないというクリニックもあったので、「予約ができない」という方の苦情が多かった。そこで6月からは集団接種会場を増やし、さらに7月からは若い世代の接種受け入れに備えているということです。

選択肢が多ければ多いほどいい

飯田)個別か集団か、どちらが効果的なのかというのは、今後検証が必要になると。

高橋)どちらもあるということが重要なのですけれどね。

飯田)あらゆる選択肢で。

高橋)選択肢が多ければ多いほどいい。

飯田)それにプラスして、東京には大規模接種会場が大手町にあり、さらに職域接種がある。

高橋)こういうものは「たくさんあれば、あるほどいい」ということしか言えないですよね。

高齢者が4万2500人いる習志野市~「接種日時と接種場所を指定した封書」を送付

飯田)それから、千葉県のなかでもワクチン接種が進んでいる習志野市ですが、「予約が取りにくい、電話がつながらない」ということで諦めていらっしゃる高齢者の方々がいるため、その救済措置に出たと。習志野市には高齢者の方が4万2500人いるのですが、そのうち数千人が1回も予約をしていないということです。ネットどころか電話すらできないという方も多いのではないかと市は見ています。そこで年齢の高い順に「接種日時と接種場所を指定した封書」を送り始めているということです。行政の方で、「ここで、この日にやりますよ」ということを決めて送ってしまう。封筒が届いて、接種を受けたい人は、同封されている確認ハガキを送り返すことになっている。すべての高齢者の方に封書を送り終わるのが7月30日の予定ということですけれども、政府の決めたリミットより「遅くなっても救済はするのだ」という固い意志で行うということです。一方、習志野市では、16歳~64歳までの方、現役世代の接種券は7月中に発送する予定となっているということです。

高橋)1つのやり方ですよね。プッシュ型というものでしょうけれど。

飯田)「行政の方で決めてやる方が、予約を取るよりもいいのではないか」という指摘は前々からありましたよね。

高橋)集団であれば、これがいいのでしょうね。個別接種ではやりにくいですけれどね。

飯田)クリニックだとなかなか。

高橋)これは集団のなかの1つのやり方だなと思います。

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