ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月7日放送)では、熱海で起きた土石流災害の現状について、現地で取材中のニッポン放送・藤原高峰記者がレポートした。
熱海土石流~死者7人、安否不明者27人に
7月3日に静岡県熱海市で起きた土石流は発生から7日で5日目となり、6日には新たに3人の死亡が確認され、土石流による死者は合わせて7人となった。安否不明者はこれまでに27人にのぼっていて、市や県などは他にも安否不明者がいないか確認を進めている。
飯田)生存率が急速に下がるという72時間が過ぎたということですが、現地がどうなっているのか、取材中のニッポン放送・藤原高峰記者に聞きます。いまはどちらにいらっしゃいますか?
藤原)伊豆山地区から直線距離で200メートルほど上流にある、昨日(6日)の午後、行方不明となっていた女性が遺体で発見された逢初川の災害現場に来ています。空一面が鼠色の雲に覆われています。ポツポツと小雨が降って来ました。少し強い風が吹いていて、私の目の前にある規制線もたなびいております。
生死を分けるタイムリミットの72時間を過ぎた現地
飯田)昨日で72時間が経過したということですが、現地の雰囲気はいかがですか?
藤原)現場では午前6時に警察、消防、自衛隊の隊員らがミーティングを行い、その後スコップなどを使って倒壊した家屋や瓦礫の撤去、捜索を行っていましたが、現在は小雨が降って来たからでしょうか、作業は中断されています。
飯田)二次災害の危険などを見ながらの作業ということになりますか?
藤原)少しの雨でも土砂災害の危険がありますので、注意しながら慎重に捜索を行っているような現状です。
飯田)ライフラインはどうですか?
藤原)伊豆山地区は昨日現在、およそ1100世帯で断水が続いております。住民のライフラインにも影響が出ています。こうしたなか、熱海市などは給水車を使って給水作業を行っております。給水所がある施設には多くの住民が訪れて、水を汲み取っていました。
飯田)避難生活も厳しいものになって来ていますか?
藤原)市の職員が車で1軒1軒回って物資を提供していますが、雨が降ると中断するので追いついていないのが現状だと思います。
熱海の他の地域でも災害が起こる可能性がある
ジャーナリスト・佐々木俊尚)熱海は伊豆山地区以外も、急峻な地形で斜面に家が密集しています。他の地域の人たちは不安ではないでしょうか、その辺りの空気感はどうですか?
藤原)熱海では急勾配に家が並んでいます。他の地区の方に話を伺うと、「今回はたまたま伊豆山地区で災害が起こったけれども、今後、自分たちの地区でも起きる可能性はあるので本当に心配です」と語っていました。
飯田)急に引っ越すのも難しいですし、ハザードマップを確認するということも必要なのだと思います。気をつけて取材を続けてください、ありがとうございました。
「自然災害債務整理ガイドライン」が発動
飯田)土砂災害について、金融機関が被災者などの債務を減免する「自然災害債務整理ガイドライン」が発動され、返済負担が軽くなるような対応をするということです。今後の生活再建も考えて行かなければなりません。
佐々木)毎回、災害や震災が起きるたびにダブルローン(二重借り入れ)の問題が起こっています。なるべく国が対応して欲しいと思います。
飯田)もともとあったローンに加えて、生活再建のための新たなローンを組まざるを得ないということがあります。この辺りの相談窓口なども、今後、開設されて行くのでしょうか。
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