女の子のキャラクター“ココちゃん”の作者で知られる、イラストレーターで絵本作家のサカモトリョウさんが、7月11日(日)に放送された、女優・戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演。ココちゃんの大ファンで、LINEのスタンプも愛用しているという戸田が、実はあまり知られていないサカモトさんのプロフィールや、その素顔に迫った。
戸田:とにかく私はサカモトリョウさんの作品が大好きで! でも、絵をぱっと最初見た時は、日本の作家さんじゃないとずっと思っていたんです。
サカモト:そうですね、言われますね。
戸田:生まれは日本ですか?
サカモト:そうです。小・中学校は近所の学校に通って、高校はアメリカンスクールのような所で。
戸田:東京の生まれですか?
サカモト:はい。帰国子女が多い学校に行って、そこでかなり感化されましたが……小さい時から世界地図を見て日本が小さいと思っていて。アメリカ大陸への憧れは常にあったと思います。まだ字幕の字がそんなに読めない頃から、両親が洋画を見によく連れて行ってくれて。それで映画が大好きになり、映画監督になりたいと思って。中学に上がる頃には、映画監督になる! という夢一本で、早くアメリカに行きたいなと。
戸田:それが理由でアメリカに行ったんですか?
サカモト:そうですね、大学と大学院に。いろいろと受講しているうちに、映画の美術さんになりたいと思ったんですよね。描くというより、粘土をこねたり彫刻系をしたり。
そして、アメリカからイタリアのフィレンツェに半年間だけ留学もさせてもらって。そのイタリアで、友達から「リョウみたいな作品をすごく好む大学院がカリフォルニアにある」って言われて。で、その学校はアニメーション映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のティム・バートンさんが卒業した学校で。
戸田:へぇー!
サカモト:ピクサーを作ったのも、うちの卒業生なんですけど……。
戸田:すごい!
サカモト:入りたい! と思って受験したら受かり。そこでコマ撮りアニメーションの勉強ができました。でも私、結構絵を描くのが苦手だったんですけど、アニメーションの基本として絵を描かなきゃいけなくて。
戸田:えぇっ!? 苦手だったなんて信じられない!
サカモト:大学院が3年間で、日本に帰ってきてからは怪獣とかモンスターとか、人間ではないものばかり描いていましたが、ある時、友達と二人でスケッチブックを持って代々木公園に行って、そこで初めて私は女の子の人間を描いたんです。家に帰って、父に女の子の絵を見せたら「これを200回練習したら絶対に何か起きる!」と言ったんです。
戸田:お父さんが?
サカモト:はい。父の言うことを聞いていると、絶対にいつもその通りになる、っていうのが自分の中であったので、それだけ父のことを信頼していたので。「洋服とかもそのまんま、ポーズだけで200回描きなさい」と言われて。
戸田:はぁ~!
サカモト:それを描いていたタイミングで「デザインフェスタ」に誘われ、その200ポーズを、赤くて小さい額に入れ、小さなブースに飾ったら、思ったよりも反響が大きく。次に広がっていった感じです。
戸田:お父さんも素晴らしいですね。お父さんはどんな職業だったのか、伺っていいですか?
サカモト:元々はファッション業界というか……。
戸田:ああ、やっぱりそういう美的センスがおありだったんですね。
サカモト:すごくあります!
日本からアメリカの大学へ進学し、イタリア・フィレンツェへ半年間留学、そこからさらにアメリカ人映画監督・ティム・バートンの母校を受験し進学するという、サカモトさんのアグレッシブな経歴に感心しきりだった戸田。
ココちゃんの最初の絵本『Toujours Ensemble』(日本語訳:いつでも一緒)はフランスで出版され、今年で刊行15周年を迎えた。絵本のテーマについて、サカモトさんは「本当に普通に朝、お母さんに『行ってきます!』と言って出かけていろんな友達と遊んで、『ただいま』と言って帰って来て、『おやすみなさい』って言うだけの特に事件が起きないという展開です」と紹介。少しでも事件が起きるような展開の絵本が怖くて読めない、という友人の子どもの話を聞いて、“何も起きない話”に関心をもったそうだ。
物語について「ずーっと『楽しいな』『幸せだな』と思って、今日も『おやすみなさい』って言って寝られるという安心……」と語ると、戸田も「素晴らしい、一番素敵なことですよ。本当に」と深く頷いていた。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。