アメリカへの次の手に悩む北朝鮮 ~米韓合同軍事演習スタート
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月16日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。8月16日から始まった米韓合同軍事演習について解説した。
米韓合同軍事演習スタート~北朝鮮は強く反発
米韓合同軍事演習が8月16日から9日間の日程で始まった。朝鮮半島有事を想定し、コンピューターを使った図上演習を通じて、連携を確認する。
飯田)本日(16日)から、本格的な演習がスタートしました。
須田)コロナ禍ということもあって、実際の演習というよりもシミュレーション中心の演習で、規模も縮小しています。しかし、これに対して北朝鮮サイドが予想した通りの強い反発を出して来たということで、再び朝鮮半島情勢が動き始めました。これで軍事的な安全保障上の緊張が高まるということではないにせよ、次の動きが注目されます。いままでの、ベタ凪という状況から、少し動きが出て来ました。
新型コロナウイルスの影響で経済支援や食糧支援が必要な北朝鮮
飯田)北朝鮮は南北の連絡線を再開したと思ったら、またそれに出なくなったというようなことが報じられていますが、対話をしたいのか、したくないのか、「ツンデレ」のようにも見えます。
須田)まさにツンデレの状況だと思います。ただ、北朝鮮国内のコロナウイルスの影響で、経済情勢を見ると、とてもではないけれど、自国だけでやって行けるような状況ではありません。経済支援や援助がどうしても必要だと思うのですが、例えば、国連を中心とした食糧支援体制だけで済ますことができるのかどうか。本来であれば、国連中心となると、食糧を供給する側は紐付きではないのです。しかし、北朝鮮の場合だけが特別扱いされていて、紐付きで「これは北朝鮮の分」と、ある種の食糧ロンダリングのようなところで国連が扱われているような状況なのです。それに対して、いま厳しい目が集まっているので、なかなかそれもままならない。北朝鮮のメンツを立てるというところもありますから。その辺りがどのような形で、水面下で話が進んで行くのかなと思います。
アメリカとの直接対話だけでは、果実は得られない~次の手に悩む
飯田)北朝鮮としては、アメリカと直接やりたいという思いがあるのでしょうか?
須田)そうですね。小泉訪朝のときから、北朝鮮は常にアメリカとの直接的な対話を求めていました。6ヵ国協議のような枠組みではなく、バイの協議を求めて来ていたのですが、トランプ政権で直接対話が実現しても、思ったような果実が得られないということがわかったのです。北朝鮮としては、かつてのように「アメリカと対話をすれば、一気に問題が解決する」というような甘い見通しは立てていないと思います。次の手をどうすればいいのかと、悩んでいるところではないでしょうか。
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