-新行市佳のパラスポヒーロー列伝-
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます
車いすラグビーの合同リモート取材が7月29日に行われました。この中から、倉橋香衣選手のインタビューをご紹介します。
車いす同士のぶつかり合い「タックル」が認められている唯一のパラリンピック競技、車いすラグビー。報道陣から「怖くないのですか?」と質問される度に、「楽しい!」とニコニコ笑顔で答える倉橋香衣選手。
車いすラグビーは障害の程度に合わせて、0.5~3.5まで0.5刻みで持ち点が選手に設定されており、障害の程度が重いほど数字が低く、障害の程度が軽いほど数字が高くなります。
持ち点が低い選手をローポインター、高い選手をハイポインターと言い、コート上の4人の選手の合計を8.0点にするというルールです(女子選手の加入では0.5点加算)。倉橋選手のクラスは0.5。
「海外のハイポインターの選手はパワーも凄いので、そういう選手が自分のところに来たらラッキー。ハイポインターの選手が自分のようなローポインターの選手の相手をしなくてはいけないので、(相手チームの)ハイポインターの選手の邪魔になれているということで、ハイポインターと絡めれば絡めるほど、日本チームに有利になるのかなと思っています」
味方がボールを運ぶ道をつくり、相手選手を車いすでひっかけて戦力を削るのが0.5の役割。相手の動きを先読みしてプレーすることが求められます。
「自分が相手選手を止めたことによって、得点につながる瞬間は面白いなと思います。自分より強いハイポインターにぶつかって揺れたり、飛んだりするのは楽しいです」
2019年以降、倉橋選手はコンディション不良に悩まされていました。
「そもそもの肩の残存機能が少なくて、そこに『練習しないと、練習しないと』と思って、負荷がかかっていたのかなと感じます」
延期の1年は肩のコンディションを整えるため、リハビリに専念。身体の使い方を見直して、自分自身に向き合えた時間だったそうです。
「軽くこいだときでも、前にタイムを計ったときよりも速かったり……全体的に走ったりターンするスキルは上がったかなと感じています」
本番に向けては、「得点を決める選手の手助けをするのが主な役割になるので、味方の持ち味を活かせるようなプレーをしたいと思います」と意気込みを語りました。
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