-新行市佳のパラスポヒーロー列伝-
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます
6月5日、東京2020パラリンピック競泳日本代表推薦選手のインタビューが、横浜国際プールで行われました。
代表推薦選手のなかからクラス分けを控えている4人の選手以外、23人の選手と上垣匠監督が東京パラリンピックに向けての抱負を語りましたので、お届けします。
東京2020パラリンピック競泳日本代表推薦選手の会見の模様をリポート
「ベテランの選手は東京大会を節目の大会だと考えていると思いますので、彼らの経験とこの大会への意気込み、姿勢というものを初代表の選手にしっかりと見せてくれれば、初めての選手たちがそこに続いて躍動してくれるのではないかと思います。東京パラリンピックでの目標は、(身体障害のクラスで)金4、銀4、銅4。山田美幸選手だったり、新たな選手たちの台頭もありますので、いかに上澄みできるか挑戦して行きたいと思います」(上垣匠監督)
「東京パラリンピックまで残りわずかという期間になったので、しっかり力をつけることですね。具体的に言うと、スプリント力や持久力を上げて、前半から積極的に取り組めるような泳ぎにして行ければと思っています。(尚秀の名前の由来が、高橋尚子さんと松井秀喜さんから1文字ずつとっていることについて)2人とも世界で活躍していたスポーツ選手なので、自分も日本代表、東京パラリンピックの選手として何か2人につながることができればと思ってはいます」(山口尚秀選手)
「カウントダウンを気にするよりも、いつも通りの気持ちで臨んでいます。いまは焦らずゆっくり、じっくりとやれることをやって行こうと思っています。以前は世界の相手に勝たなくてはいけない、ライバルに勝たなくてはいけないという気持ちが強くてプレッシャーがあったのですけれど、日本代表のコーチに『楽しんで行ってらっしゃい!』と言っていただいたり、トレーナーも『笑顔で楽しんで!』と言ってくれて。大会はもちろん、普段の練習や合宿も楽しむことができて、スポーツだからまずは楽しむことが大切かなと思うようになりました」(東海林大選手)
「パラリンピックをずっと目指して来たので、いちばんのパフォーマンスを出せたらいいなと思っています。身体の柔軟性と肩甲骨周りの筋肉が足りていないので、残りの期間は柔軟性を重視してやって行こうかなと思います。自己ベストを最低ライン、金メダル獲得に向けて頑張って行きたいと思っています」(福井香澄選手)
「初めての出場なので、ベストを出してメダルを取りたいと思っています。タイムをもっと伸ばして、トレーニングを積み重ねて頑張って行きたいです。(強みは)長距離が得意なので、そこがバテないところかなと思います」(井上舞美選手)
「東京パラリンピックでは、決勝に残っていい成績を残せるように頑張れたらと思います。持久系の練習とスピードの練習、自分のフォームに合わせた練習など、たくさん練習して、東京パラリンピックでいい成績を残したいです。メダルを目指して頑張ります」(木下萌実選手)
「選ばれたときはとても嬉しかったです。世界大会のときよりも周りに置いて行かれないよう、もっと力強い泳ぎをしたいと思います。持久力と細かいところの練習を頑張って行きたいです」(芹澤美希香選手)
「(内定が決まって)素直に嬉しかったのと、いままで頑張って来てよかったなと思いました。目標は決勝進出を掲げているのですけれど、パラリンピックは初めてなので空気にのまれ過ぎずに、自分らしく泳げたらいいなと思います。自分にとってパラリンピックは夢の舞台で、小学生のときからずっとパラリンピックに出るのが将来の夢でした。テレビなどで障害のある人が一生懸命スポーツをやっているのを見て、自分でもできるのではないかと思ったのが(パラリンピックを目指した)きっかけです」(由井真緒里選手)
「100mバタフライで課題にすべきことは、僕のクラスだと片手バタフライで、肩が水中に落ちると失格になるという点で、後半になると体力が落ちて失格になるリスクが高いということです。2018年から3年間は、後半の体力をあげるような練習ばかりをしていました。体力をあげるだけではなく、スピードの練習も行っていたのですけれど、その練習もうまく花を咲かせて結果につながったので、よかったのかなと思います」(荻原虎太郎選手)
「自分の弱点がまだあると思うので、あと2ヵ月間で強化して、東京パラリンピックに向けて(弱点を)なくして行きたいです。自分の弱点は、前半はいつも通り行けるのですが、後半の伸びがよくなくてタイムが落ちているので、練習で克服できればと思います」(日向楓選手)
「金メダルを目指して頑張って来たので、金メダルを目標に本番でも泳ぎたいなと思いますし、個人種目は5種目メダルの可能性がありますので、全種目でメダルを目指して行きたいです。いま、いちばん金メダルに近いと思っているのは自由形の種目で、特に200m自由形と100mかなと思っています」(鈴木孝幸選手)
「選考会では50m自由形で派遣基準記録が切れなかったのですけれど、リレーで選んでいただけたということで、リレー自体はパラリンピックではアテネ以来で久しぶりの出場になりますし、若くていい選手が揃っているので個人的にはすごく楽しみにしています。34ポイントのメドレーリレーというのはパラリンピックの最終種目で、国として、チームとしての力を示す場でもあると思いますし、決勝の盛り上がりはどの個人種目のレースよりもすごいものがあるなと、過去の大会でスタンドから見てそう思って……いつか出たいなという想いでやっていたので、条件が揃ってとてもいいメンバーで挑戦できることに喜びを感じています。出るからにはしっかり決勝に残って戦えるように、みんなで準備したいと思います」(山田拓朗選手)
「5月の選考会で前半の入りだったり、後半の持久力が課題として出て来たので、そこを残りの期間で改善しつつ、東京パラリンピックでは最低限決勝ラインというのを目標に頑張って行きたいです」(窪田幸太選手)
「前回のジャパンパラ大会で、現状の課題や自分の実力がどのくらいなのか測ることができたと思います。100mバタフライがメインの種目になって来ると思いますので、その泳ぎの精度をどのくらいあげて行けるかが、あと2ヵ月の勝負だと思っています。いまできることを着実に淡々と、その瞬間に向けて準備して行きたいと思います。4回目のパラリンピックに出させてもらうということで、競技に向かう上で、初出場の選手たちに『頑張って行きたいな!』と思ってもらえるような空気づくりをしたいですし、そういう空気になれば、自分の成績もよい方向に傾いて行くと思います」(木村敬一選手)
「いろいろな意味で初めての経験があると思いますし、緊張よりも楽しく泳ぎたいという気持ちが強いです。今年(2021年)受験生で学校も精一杯頑張りたいと思いますが、合宿にもできるだけ参加して、足の力の強化やターン、スタートなどもしっかり練習して行きたいです。小学校3年生ぐらいのときにリオパラリンピックがあって、初めて世界の大会というのを見まして……世界の選手たちと一緒に泳ぎたいなと思ってパラリンピックを目指しました。普段は会うことのできない世界の選手と競いながら、ともに泳げる最高の舞台だと思うので、精一杯楽しく泳げたらいいなと思います」(山田美幸選手)
「400m自由形については泳ぎの効率を上げるという、これまで取り組んで来たことを最後まで続けて行きたいです。ひとかきずつ大きく進んで、楽に速く泳ぐフォームというのを大会当日まで少しでも磨いて行ければと思っています。100mバタフライについては、最近なかなかいいタイムが出せていないのですが、前半・後半で泳ぎ方を変えて、前半はスピードの出やすい体力を使う泳ぎ方で、後半はあまり体力を使わずに省エネで泳ぐという、2つを使い分けてタイムを更新できるようにチャレンジしたいなと思っています」(富田宇宙選手)
「選考会では派遣標準を切ることができず悔しい想いをしたのですが、代表に入ることができたのでホッとしています。ウエイトトレーニングをしっかりとして、身体を大きくして、つけたパワーを泳ぎにつなげるような練習をして行くと、メダルもそうですし、順位も上がるのかなと思います」(齋藤元希選手)
「2004年のアテネパラリンピックから5大会連続で出場となり、嬉しいことなのですけれど……派遣タイムを切って1発で決めたかったのですが、2次選考で内定になりました。いままでは自力でつかんだ切符なのですけれど、東京だけは自力でとれなかったので、それが悔しいです。練習をさらに強化してベストなコンディションに持って行って、大会では表彰台に上がれるようにしたいです」(中村智太郎選手)
「私のクラスは海外の選手や実力のある選手、レベルの高い選手が多いクラスになるので、私自身自己ベストを更新しても決勝ラインぎりぎりの種目もあり、決勝に進むというのを第一目標にしたいと思います。いままで経験した大会とは規模も雰囲気も全然違う大会になって来ると思うので、緊張すると思います。緊張しても自分らしく、見ている人が元気になるような泳ぎをしたいなと思います」(辻内彩野選手)
「今回ジャパラでは派遣基準記録を突破しての内定となりましたので、ある程度の位置でパラリンピックに向かえるのかなと思っています。東京パラリンピックでは以前から目標にしている金メダル獲得、世界記録更新を目標にしています」(石浦智美選手)
「前回のリオ大会の悔しさもあり、今回のパラリンピックが初出場となるので、とても嬉しい気持ちでいっぱいでした。しかし、自分が目標にしていた派遣タイムに届かずの内定だったので、そこはしっかりこの期間、自分の実力をいまより高めて、本番ではそういうものを感じさせない泳ぎをしたいと思います。リオパラリンピックの選考会後にいろいろな壁があって、いちばん大きかったのは泳法改正でした。片手ストロークが両手ストロークになったときに、このままやって行けるのかという想いがありました。自分のなかではゼロからのスタートでやって来て、このパラリンピックにも間に合うかわからない状態で去年(2020年)の1年延期があったので、自分はいい意味でとらえることができて、5年間頑張り続けられました」(西田杏選手)
「ジャパンパラの結果が思わしくなかったので、選んでいただけるのか不安な日々を過ごしたのですけれど、選んでいただけてホッとしています。スピードを出す力を強化して行って、早いタイムで前半を折り返せるようにしたいと思っていて、すべての種目で自己ベストを出したいなと思っています。北海道の地元で練習させてもらえる環境にいまいるのですが、地元の方々がプールで会うとレーンを譲ってくださったり、『頑張ってね!』と言ってくださるのですごく力になっています。100m背泳ぎでは、ずっと切れていない1分20秒を切って自己ベストで終えられたらいいなと思います」(小野智華子選手)
「6回目にして初めて派遣記録を切れないで、結果を待つ東京パラリンピックだったのですけれど……決まってホッとして、嬉しかったです。いままで以上に厳しいトレーニングを積んで、納得の行く結果を出して笑顔で終われるようにしたいなと思います。パラリンピックを多くの人たちに見てもらって、例えば私の場合は手だけで泳ぐとか、そういうところを見てもらって。健常者と呼ばれる人とは違う部分があるけれども、残されたものをフルに活用して私たちがスポーツをしている姿を見てもらったときに、スポーツとして、パラリンピックとして見てもらうことももちろんなのですけれど、車いすの人ってどう生活しているのだろうか、車いす用の駐車場やトイレはどうなっているかなとか、そういう部分も含めて見てもらったときに、多くの日本の人たちにも障害者が生活をしているということも考えてもらえたら……もっと住みやすい街になってくれるのではないかなと思います」(成田真由美選手)
「スタートラインに立てたことを嬉しく感じています。去年から腰を壊しているのですが、腰に痛みが出ないように本番までしっかり練習を積んで行けたらいいなと思いますし、体力が落ちているので、その部分を強化して行けたらなと思います。出場できるだけでもいい経験なので、自分にとってのベストパフォーマンスができたらいいなと思います」(小池さくら選手)
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