どの国もアフガニスタンを抑えることはできない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。タリバンが実権を掌握したアフガニスタン情勢をめぐり、G7が緊急の首脳会議を開いたというニュースについて解説した。

反政府勢力タリバンとの戦闘が迫る中、路上で警戒するアフガン治安部隊員(アフガニスタン・カンダハル)=2021年7月9日 AFP=時事 写真提供:時事通信

アフガニスタン情勢をめぐってG7緊急首脳会議を開催

先進7ヵ国(G7)は8月24日、イスラム主義組織タリバンが実権を掌握したアフガニスタン情勢をめぐって、テレビを通じた緊急の首脳会議を開いた。終了後に首脳声明を発表し、外国人やアフガン人協力者の安全な国外退避に向け、緊密な連携を続ける方針を表明した。

飯田)アフガンの状況に対して、重大な懸念を表明しております。

高橋)アフガンが手を打っていて意外に早かったということで、アメリカが矢面に立っていますよね。要するに、信用できないという話です。

どの国もアフガンを抑えることはできなかった

高橋)アフガンは山岳地帯にあって、歴史を見ても屈強な国なのです。シルヴェスター・スタローン主演の『ランボー3/怒りのアフガン』という映画があったでしょう。30年くらい前なのだけれど、歴史はすごいなと思います。そのときはソ連が統治していて、タリバンのもとになる組織が、アメリカのランボーと組んでソ連を攻撃するという映画だったのだけれど、いまはまったく真逆になってしまった。タリバンの根になるような人と、実は30年前は組んでいたということです。

飯田)対ソ連ということで、イスラム教の学生さんたちであるとか、「ムジャヒディン」と呼ばれた人たちを陰に陽に支援し、養成したのがアメリカだった。

高橋)映画でも「すべてのアフガン戦士たちに捧げる」というのがありましたし、「昔はアレクサンダー大王、ジンギスカン、最近ではイギリスにも負けなかった」という言い方をしているのです。今回はイギリスどころか、アメリカにも負けなかったわけでしょう。歴史を見ても、要所だから抑えたい人はいるのだけれども、どこも無理だったのです。

飯田)シルクロードの交易路を抑えるという意味でも、あそこは要所であるということです。

高橋)けれども、誰もできなかったというのが歴史です。西側が民主主義を根付かせようと思っていろいろ努力したのはわかるのだけれども、そのスピードではなかなか難しかったのではないかなと。この20年間で一生懸命やったと言いますが、アフガンの長い歴史から見たら短いのではないかという印象を持ちました。

飯田)その辺りを指して「帝国の墓場」と言ったりもします。

高橋)他国の干渉なしで独自にやる、という部分があるのかなと思います。

温かく見守るスタンスも必要

飯田)民族的にも入り乱れているところがあるなかで、タリバンも全部は掌握できないのではないかということも言われています。

高橋)それはそうでしょう。

飯田)北部にまだ反タリバンで頑張っている人たちもいるということです。

高橋)だから、全土を抑えることは誰もできないのかも知れないし、仮にできても外国の人は無理だと思っていた方がいいのではないでしょうか。温かく見守ってあげるというか、そういうスタンスも重要ではないかという感じがします。「介入、介入」と言わないで。

中国も下手に統治しようとすればソ連とアメリカの二の舞に

飯田)アメリカが今回手を引いた。喜んでいるのが中国で、「アメリカはこうやって梯子を外すのだ」ということを言っていますが、中国も実は扱い的には難しかった。

高橋)難しいでしょう。「ウイグルにテロリストは来ないで」と言うだけではないですか。下手に統治をしようとしたら、ソ連とアメリカの二の舞になる可能性は高いと思います。

飯田)北に上がるとロシアがある。

高橋)敵の敵は味方ということで、ロシアと中国に少し接しているでしょう。そういうなかでG7がどこまでできるのかというのは、正直言って難しいかも知れません。アメリカが撤退するまでに残っている人を救出するということに専念せざるを得ないですね。それができれば御の字ではないですか。

飯田)あと、1週間というところで。

高橋)もう少し延ばしてくれと言っているけれども、タリバンの方は延ばさないでしょうからね。

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