黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(8月23日放送)に映画監督・映像ディレクターのタカハタ秀太が出演。最新作となる映画『鳩の撃退法』について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月23日(月)~8月27日(金)のゲストは映画監督・映像ディレクターのタカハタ秀太。1日目は、タカハタ監督の最新作映画『鳩の撃退法』について---
黒木)タカハタ監督でいらっしゃいますけれども、私も少しご一緒しましたね。(笑)
タカハタ)何度か。(笑)
黒木)『黒い十人の黒木瞳。』というテレビドラマシリーズを3シリーズ撮りました。そのときの脚本と監督をされていて、素晴らしい作品でございました。ありがとうございました。
タカハタ)こちらこそです。
黒木)そして監督がここにいらっしゃるということはいいお話があるのですよね。最新作の映画『鳩の撃退法』が8月27日から全国で公開ました。「実写化不可能」と言われた話題作なのですが、どういうところが実写化不可能と言われたのですか?
タカハタ)この原作が実写化が不可能と言われているというようなことを、今回の『鳩の撃退法』の宣伝の資料で初めて知ったのですよ。
黒木)本当ですか(笑)
タカハタ)そうなのかと。宣伝戦略だとも思いますが。原作は面白くて、「ずっと読んでいたい」というような作品です。しかし上下巻あって、すごく長く、そして細かい。どんどん枝葉が分かれて行って、難解で複雑になって行くのです。そして原作には結末がないのです。堂々めぐりをしていて。
黒木)映画の結末はどうなのですか?
タカハタ)原作には結末がなくて堂々めぐりをしていて、そういう意味で、複雑で実写化が難しいのではないかと思われたと思うのです。それをいかにエンターテイメントに昇華しようかということは、脚本段階からプロデューサーたちと話し合いをしていました。エンターテイメントにするということは、「イコール難解なものを簡単にして角を取る」ということではないと思うのです。原作の複雑な構造を活かしつつ、いかに観る人、お客さんを最後まで気持ちよくだまし通すか、というようなことばかり考えていました。
黒木)なるほど。
タカハタ)黒木さんもご覧になられたと思うのですが、観る人によっては、謎解きの方法がさまざまなようです。観た人なりの結論があるのかなと思います。
黒木)小説のなかの話なのか、事実なのか、主演が藤原竜也さんですが、その辺りで騙されて行くわけではないですか。そういうところでエンターテイメント性を出そうと思われたのですか?
タカハタ)「とにかく面白くしなくてはいけない」というのがベースにありました。
黒木)とにかく自分の信念を信じてやられたという感じですか?
タカハタ)はい。だから「監督の作家性なんて最初から捨ててください」というような。
黒木)作家性はなしでというのはどういうことですか?
タカハタ)もっと小ぶりなサイズの配給の映画であれば、もう少し主張したかもしれませんが、250館~300館と言われて、「それで当たると言うことならば、言うことを聞きます」という感じです。準備段階のときから、「それをやって本当に当たるのならやりますよ」と口癖のように言っていました。
タカハタ秀太(たかはた・ひでた)/ 映画監督・映像ディレクター
■1962年・富山県出身。青山学院大学法学部中退。
■伝説のバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』でディレクターデビュー。その後、『ASAYAN』『SmaSTATION!!』『チョナン・カン』など数々の番組を担当。ミュージックビデオ・CM・ドキュメンタリーなどさまざまな映像制作を手掛け、黒木瞳主演のドラマシリーズ『黒い十人の黒木瞳』では脚本・演出を担当。ドラマ『赤めだか』ではギャラクシー賞のほか、ドラマ界の賞を総なめにした。
■映画では2004年公開の『ホテルビーナス』でモスクワ国際映画祭コンペティション・パースペクティブ(新人監督部門)最優秀作品賞を受賞するなど、数々の作品を監督。
■最新作は藤原竜也主演作の『鳩の撃退法』(8月27日より公開中)。直木賞作家・佐藤正午の同名小説が原作。ある天才小説家が書いている新作小説が、小説と現実、そして過去と現在を目まぐるしく交差して行く予測不能の話題作。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳