日本酒金賞数8連覇の福島 美酒が多い理由は「情報交換」
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創業以来200年以上の伝統を誇る、福島県会津若松市の老舗酒蔵「鶴乃江酒造」の女性杜氏・林ゆりさんが、9月26日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演した。
江戸時代から続く酒蔵の7代目の長女として生まれた林さんは、東京農業大学農学部醸造学科を卒業し、実家の鶴乃江酒造に入社。その翌年には、女性が造った女性におすすめのお酒「純米大吟醸ゆり」を発売した。
杜氏になるまでの経緯や、その仕事ぶりについて語る中、日本酒の出来栄えを審査する「全国新酒鑑評会」で、福島の日本酒が注目される理由や、美酒が造られる背景についても語った。
戸田:実は福島県は、日本酒で盛り上がっている日本酒県で、2020酒造年度「全国新酒鑑評会」で福島県の日本酒17銘柄が金賞に選ばれ、全国初の、8年連続で金賞受賞数日本一となったそうですね!
林:お酒作りが上手な蔵がたくさんある、というのが福島県です!
戸田:だいたいどれくらいの酒蔵があるんですか?
林:今、福島県には60軒ほどの蔵がありますが、新潟県や長野県の方が蔵の数は多いです。
戸田:そして鶴乃江酒造さんの「会津中将」も2020年に金賞を受賞。また、2015年の日本酒世界一を決める品評会「SAKE COMPETITION」純米大吟醸の部で、「会津中将 純米大吟醸 特醸酒」が1位に輝いたそうですね!
林:はい、ありがとうございます!
戸田:もう、今すぐにでも飲みたいですが、これはどんなお酒ですか?
林:福島らしい“お米のうま味”を大事に生かした味わいのお酒で、黄綬褒章も受賞したうちのベテラン杜氏・坂井杜氏が……。78歳で、酒造りにすごく真摯に向き合ってくださっていて、基本的には懐の深い方で、私がお酒造りができているのも坂井杜氏さんがあってのことだと思っています。
戸田:なんか、絵が浮かびますね。
林:すごく優しくて温かい人柄が、お酒の味になっているなと思っています。
戸田:そうなんですね。
林:米よし、水よし、寒い気候、そして作り手の思いを、福島県の蔵元さんはとても上手に生かして酒造りをしています。福島県の蔵元さんって、みんな横の繋がりの仲が良くて。
戸田:そうなんですか?
林:だから情報交換も密にとっていて。みなさんが「どうぞ、どうぞ」という感じで、酒造りをお互いに伝えていて、そういうところが福島県のお酒をレベルアップしている1つの要因だと思います。
また、鶴乃江酒造の看板商品の1つでもある「純米大吟醸ゆり」にまつわるエピソードも語り、ベテラン杜氏をさしおいて自分の名前の酒を出してしまったことや、東京へ販売しに行くため、蔵での酒造りに専念できないことに悩んだという。そんな時に、デパートのベテラン販売員に「自分のお酒は自分で売らなければ。造って満足するのではなく、造り手の思いを広く伝えて、おいしく飲んでいただくには、ゆりちゃんじゃないの?」と言われ、ハッとするきっかけになったと振り返った。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。