東京都医師会理事で「ケイアイクリニック」理事長の消化器内科医、黒瀬巌氏が11月25日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。年末に向けて、お酒を飲む場合の注意点について語った。
抵抗力、免疫力を落とす飲酒 ~その境界線は「缶ビール2本」
飯田浩司アナウンサー)これから年末を迎え、お酒を飲む機会が多くなりますが、その際に気を付けなければならないことはありますか?
黒瀬)飲み方が大切になるのだと思います。お酒を飲むと抵抗力、免疫力が落ちるということは、これまでにも言われています。コロナとは関係なく、ウイルス性の肺炎等で考えると、だいたいお酒で言うところの2単位。アルコール分で言うと40グラムです。具体例としては、ビールの缶2本くらい。
飯田)缶ビール2本。
黒瀬)それ以下ではあまり影響がないのですが、それより上になると、免疫力が落ちて行きます。基本的に8単位くらいまで飲んでしまうと、抵抗力が半分に減ってしまう。感染する確率も2倍に増えてしまうと言われています。
飯田)2倍ですか。
黒瀬)また、千葉大学の研究チームの報告によると、ワクチンを2回打ったあとの新型コロナの抗体検査をすると、毎日飲酒されている方、あるいは大量に飲酒する方は、抗体量が減ってしまうということが報告されています。やはり飲酒は抵抗力を落としてしまうのです。
飯田)2単位の境界は、きちんと覚えておかなければいけないですね。
黒瀬)もちろん体質がございますから、顔が赤くなるような方であれば、少なめにしていただいた方がいいです。また、女性の方は男性よりアルコール分解能力が低いと言われていますから、やはり差し引いて考えた方がいいと思います。
環境が整った店を選ぶ
飯田)お店で飲む場合に気を付けることは何でしょうか?
黒瀬)食べたり飲んだりするときには、マスクを外します。すぐにマスクを付け直せばいいのですが、お酒が入るとそのまま喋りやすい傾向があります。相手との距離をある程度保っておかないと、マスクを外したまま喋るわけですから、感染の機会が増えます。
飯田)お酒が入るとそうなりがちですね。
黒瀬)パーテーションが置いてあり、環境が十分に整っているようなお店でしたら、リスクは下がると思いますが、そうでないところも残念ながら見受けられますので、お店はしっかり選んでいただく。その上で、ワクチン接種証明書や陰性証明書を使って、きちんとリスク管理しているような飲食店を選んでいただくことが大切だと思います。
飯田)オープンカフェのようなところもありますが、ある程度の換気は見ておいた方がいいわけですね。
黒瀬)そうですね。私もできるだけ外で飲むようにしています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます