自律神経を整えるために、朝起きたら1杯の水を一気飲みする
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東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が11月19日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。さまざまな自律神経の整え方について解説した。
腸内環境を整えて副交感神経を上げる ~朝起きたら1杯の水を一気飲みする
飯田浩司アナウンサー)自律神経を簡単に整える方法は何かありますか?
小林)呼吸が重要だということはお話ししましたが、もう1つ、自律神経をコントロールするために忘れてはならないものが腸内環境です。
飯田)腸内環境。
小林)腸内環境を整えることが大事です。腸は副交感神経を上げてくれるのです。副交感神経は年齢とともに機能が下がって来るのですが、ブレーキの役割を担う、リラックする方の神経です。
飯田)副交感神経を上げてくれる。
小林)腸内環境を強くするのは重要です。腸と脳は「脳腸相関」と言って、連結しているので、腸のいいバランスが脳にも伝わり、性格も穏やかになりますし、判断も的確になるのです。具体的な方法ですが、朝起きたら1杯の水を一気飲みすることです。
飯田)一気飲みなのですね。
小林)寝ているときは消化管が休んでいますから、それを起こすために一気飲みをして、胃に水の重力をかけて腸を上から押すのです。
朝食に味噌汁を飲むことで「短鎖脂肪酸」ができる ~免疫や老化、疲労などにいい効果を出す
小林)「胃結腸反射」と言うのですが、この状態をつくってあげると、腸が自然に起きるのです。もう1つは、朝食をしっかりと食べていただきたい。その際、意識するのは発酵食品と食物繊維です。これを摂ることによって「短鎖脂肪酸」という物質ができて、免疫や老化、疲労などにいい効果を出してくれるのです。朝、味噌汁を飲まれる方が多いのですが、味噌汁は発酵食品と食物繊維が両方入っているのでおススメです。
早寝早起きをして余裕を持つ
新行市佳アナウンサー)生活スタイルとして行うといいことはありますか?
小林)食事と呼吸と睡眠。もう1つはメンタル面です。まず重要なのは早寝早起きです。なぜいいかと言うと、睡眠時間を取ることもそうなのですが、1日に余裕を持つことが大事です。余裕を持つと、呼吸は安定します。だから、早寝早起きをする。
朝日を浴びて体内時計を動かす
小林)それから、朝日を浴びるということです。我々の身体のなかには時計遺伝子というものがあって、体内時計としてコントロールされている。しかし、朝起きたときに朝日を浴びないと、時計が動いてくれないのです。だから朝食を食べ、朝日を浴びることで時計が動き、初めて朝になるのです。ぜひやっていただきたいと思います。
適度な運動と「長生き呼吸法」
小林)あともう1つ、年齢とともに運動量が減って来ますから、できればエスカレーターやエレベーターは使わずに、階段を使っていただく。家にいらっしゃる方は30分でもいいので、食事のあとにウォーキングをしていただきたいと思います。
飯田)ウォーキング。
小林)あとは呼吸です。「長生き呼吸法」や「1対2の呼吸法」とも言われますが、鼻から3秒吸って口から6秒吐く。これは意識しないとできません。寝る前の3分間や、昼食後の3分間など、意識してこの呼吸法を1日1回~2回でもやると全然違います。
飯田)深呼吸する感じですか?
小林)深呼吸というよりも、吐く息を長くすることが重要です。ため息です。ため息というのは実はリカバリーショットで、すごくいい呼吸なのです。吐く息を意識して、1日3分間くらいやっていただくと全然違います。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます