旅行中でも各地で受けられる人工透析

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東京都医師会理事で「三軒茶屋病院」院長の腎臓専門医、大坪由里子氏が12月1日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。人工透析に関するさまざまな疑問について訊いた。

旅行中でも各地で受けられる人工透析

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

透析中は自由に過ごすことができる

飯田浩司アナウンサー)素朴な疑問にいろいろ答えていただこうと思うのですが、週3回、1回4時間の人工透析を受ける。血液透析の場合は大体これがスタンダードだと伺いました。先生の病院の場合は大部屋でやるのですか? 個室ですか?

大坪)基本的には、透析室は広いお部屋にベッドが並んでいて、皆さん一斉に行うことが多いのですけれども、個室を望まれる方もいらっしゃいますので、個室を用意する場合もあります。またベッドではなく、リクライニングチェアでやりたいという方もいらっしゃいます。いろいろな要望にお応えできるように変わって来ていると思います。

飯田)本を読むこともできるのですか?

大坪)管がつながっていますので、多少動きにくくなることはありますが、皆さん、本を読まれたり、パソコンを使ったり、YouTubeを観たりと、それぞれ体調に合わせて無理することなく自由に過ごすことができます。お食事を取ることもできます。

飯田)食事できるのですか!

普段食べられないものも透析するときには食べることができる

大坪)できます。透析で悪いものを抜いてもらえるので、好きなものを食べられるチャンスでもあるのです。食べたいものを持ち込んで透析の前半に食べれば、後半には抜けて行きますので、それを楽しみにされている方もいらっしゃいます。

飯田)なるほど。通常であれば、塩辛いものなど、腎機能が低下しているから制限がかかるわけですよね。

大坪)いつも食べられないものをここで少し食べようと、楽しみにできることがあります。

旅行中でも各地で受けられる人工透析

新行市佳アナウンサー、大坪由里子氏、飯田浩司アナウンサー

腎機能が低下した人が食べてはいけないもの

飯田)皆さんが食べられないものは、どんなものがあるのですか?

大坪)個人差はありますが、最も命に関わるのは、カリウムという物質です。健康体であればカリウムは腎臓が調節して、過剰なものはおしっこで出て、一定の数値に保たれます。しかし、腎機能が下がって来るとカリウムが身体のなかに溜まりやすくなります。カリウムはバナナやメロン、トマトなど、生の果物や野菜に多く含まれています。

飯田)生の果物や野菜。

大坪)とにかく生のものですね。お刺身にも多いですし、コーヒーやココアにもカリウムが入っています。そういうものを制限なく食べてしまうと、血液中のカリウムの値が上がってしまい、不整脈が起きてしまいます。死に至るような不整脈も起きてしまうので、カリウムについては十分、気を付けていただきたいです。

飯田)死に至るほどの。

大坪)透析に週3回通われますと、調子がつかめて来ます。採血も前後で採りますので、どのくらい抜けているか、その方の透析の効率がわかります。抜けるスピードも個人個人で設定してありますので、「このぐらいの範囲であれば大丈夫」ということがつかめて来ます。その範囲内で楽しんでいただくことになります。

予約しておけば県をまたいだ旅行も可能に ~いまや全国にある透析施設

新行市佳アナウンサー)透析のペースが自分のなかでつかめて来ると、旅行なども楽しむことができますよね。

大坪)いまでは全国に透析の施設がありますので、前もって予約をすると、ご自分が通われているクリニックから情報がそちらに行き、その条件の通り、いつもと同じように透析を受けることができます。旅行の計画を立てて、県をまたいで行くことも可能です。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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