ジャーナリスト・須田慎一郎が12月29日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に生出演。現在の日本の暴力団情勢について解説した。
辛坊)いま、日本の暴力団の勢力図はどうなっているのですか?
須田)いや、もう決着つくでしょう。
辛坊)どういうことですか?
須田)神戸山口組と六代目山口組の抗争も、ほぼほぼ実態上は決着がついているのだけれど、結局神戸山口組の井上組長、トップが1人奮闘している。しかしそれだけじゃなくてですね、やはり淡路島と茨城県にけっこう有力な団体があるのですよ。資金力がある。ここがけっこう頑張っている。
辛坊)すみません、基本的なところから……山口組というのがありますよね。これは基本的に神戸を本拠地とする大きな暴力団ですよね。それがいつの間にか、山口組の本拠地が名古屋の方へ行ってしまったではないですか。あれはどういうことなのですか。
須田)いや、本部も本家もちゃんと神戸にあるのですよ。ただし名古屋に本拠地を置く弘道会、この司組長が六代目山口組のトップになって、ナンバー2の若頭にその弘道会出身の人がなったということもあって、本家は名古屋に移ったんじゃないかといわれているんだけども、実態は神戸にあるのですよ。つまり名古屋勢が席巻してしまったので、面白く思わない、もともと保守本流と呼ばれた、山健組というのがありましてね。
辛坊)はい。
須田)この山健組が外に出て、それについていく人たちがいた。この山健組がですね、かつての山口組の中核団体だったのですよ。
辛坊)山口組は分裂したんですか?
須田)分裂した。そして分裂した側が神戸山口組を名乗った。神戸山口組はまた分裂して、いま絆会という、また違う3分裂。
辛坊)やはり中心勢力、最大勢力はそのやはり名古屋を本拠地とするそこのグループが最大集団ですか?
須田)ええ。驚くことに、もうかなり山健組のところが、元の六代目の方に戻ってしまったんですよ。
辛坊)名古屋傘下の方に。なぜ、どうして?
須田)やはりね、出たはいいけれども、さっき言った井上組長についていけないということになったのでしょうね。
辛坊)ああ。
須田)それで、その下にいる組長、山健組の組長が脱退して、結果的に六代目山口組に戻るという。
辛坊)それでも不思議なのは、これだけ暴力団対策法が厳しくなってですよ、暴力団が何かのシノギで、例えば飲食店にみかじめ料を求めに行っただけで捕まりますよね、いま。そんな状況のなか、なんでみんな飯が食べられるのですか?
須田)だから2極化していて、やはり生業を持っているところ、ちゃんと自分で商売やっているところ、合法的に、例えば不動産仲介であるとかさまざまなビジネスをやっている、そういったところはやはりそれなりに資金力を持って生き残っていますよね。そうじゃないような、辛坊さんが言われたみかじめ料だとかそういった非合法の下でやっているところは……
◇◇◇◇◇
須田)実は、山健組の中田組長は、組長自ら弘道会系の組員を銃撃に行って。撃たれた組員は片腕切断になったのですよ。
辛坊)ああ……
須田)ところがまた元に戻るでしょう。なんで元へ戻るんですかと、いろいろと聞いて回ったのですよ。そしたら「敵ながらあっぱれ」って言うのですよ。やはりね、何て言ったらいいのですかね、その行動パターンというかですね、つまりやられても何もやり返さないっていうのは、やはりあの世界では評価されないのですよ。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)