スティーブン・ブライヤー米最高裁判事が退任する本当の理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月28日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。アメリカ最高裁のリベラル派判事、スティーブン・ブライヤー氏の退任について解説した。
アメリカ最高裁のリベラル派、スティーブン・ブライヤー判事が退任へ
米連邦最高裁で最高齢のリベラル派スティーブン・ブライヤー判事(83)は、1月27日付のバイデン大統領(民主党)宛ての書簡で、今夏に退任する意向を表明した。
飯田)ご高齢でもあり、83歳だということですが。
宮家)もう30年くらいやっていますからね。
飯田)最高裁判事は定年がないのですね。
宮家)終身制ですから。ただ、今回彼は勇退するわけです。2022年11月に中間選挙があります。上院の現在の勢力は、民主党50、共和党50ですから、民主党は副大統領の1票でギリギリ勝てるわけです。中間選挙で負けてしまったら大変なので、その前に高齢のリベラル派判事であるブライヤーさんには辞めていただき、バイデンさんは約束通りアフリカ系、黒人系の女性判事を初めて採用しようと言っているのです。
飯田)黒人系の女性判事を。
宮家)実際にいくつか名前が出て来ていますが、全体の数は多くはありません。上院の民主党議員が1人でも反対したら議会承認を取れなくなるのだから。バイデンさんは公約で「黒人女性を判事にする」と言っているのですが、本当にできるのか、心配しております。仮にリベラルのアフリカ系女性が判事になっても、保守派が6人でリベラル派が3人ですから、最高裁の全体のバランスは変わりません。そうすると、今の内に少なくともリベラル派の1人くらいは入れ替えておかないと、大変なことになるという危機感があるのかも知れません。
飯田)バイデンさんがどこまで調整できるのかというところですね。
宮家)すんなりと行く保証はありません。むしろ厳しい状態だと思います。
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