黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(1月24日放送)にサッカー元日本代表の大久保嘉人が出演。引退を決めたきっかけについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月24日(月)~1月28日(金)のゲストはサッカー元日本代表の大久保嘉人。1日目は、引退を決めるまでの経緯について---
黒木)昨年、2021年に現役を引退なさいました。20年間のプロ生活、本当にお疲れ様でした。
大久保)ありがとうございます。
黒木)突然、引退されましたが、3日前に決めたそうですね。
大久保)引退する3日前に決めました。既に翌シーズン(2022年)の契約ももらっていて、子どもたちにも「来年も頑張るわ」と言っていたのですが、それから少し経ったある日、練習が終わって帰るときに突然、「あ、もうやめよう」と思ってしまったのです。
黒木)具体的に何かがあったわけではないのですか?
大久保)何もありませんでした。普段通りに練習が終わって車に乗って帰る。そのときに、今年(2022年)のキャンプのことを思ったのですが、やっている自分の姿がまったく想像がつかったのです。
黒木)キャンプで練習しているご自分の姿が。
大久保)キャンプはやはりきついのですよ。そのきついのをもうやりたくないな、という気持ちもあって。自分がそのきついキャンプをやっている姿も想像できなくなって、「これはもうやめよう」と思いました。
黒木)大久保さんがJ1で上げた191点が最多得点記録となっています。200点までもう少しでしたし、もらったイエローカードが104枚というのも歴代最多でいらっしゃいますし、体もまだ元気、所属クラブからは契約の延長も言われている。そのようななかで、急に3日前に引退を決められた。
大久保)いままでだったら、「またキャンプから頑張ろう」と思えるのですが、それがまったく思えなかった。その状態でやるのも嫌だったのです。
黒木)ただ、現役のサッカーの幕引きという意味では、かっこいいですよね。どこかが故障して引退ということも素晴らしいと思うのですが、元気なときに引退という。
大久保)もともと、「元気なときに惜しまれながら引退したい」というイメージがありました。それがちょうどいまかなと思って。痛いところも本当にないのですが、「まだやれるよ」と言われながらやめたかったので、ちょうどよかったです。
黒木)現役引退には後悔はないのですか?
大久保)まったくないです。
黒木)潔いですね。
大久保)いまはサッカーもあまりしたいとは思いませんし、「やろうよ」と言われても、「いまはいいや」という感じですね。
黒木)ではサッカーボールも全然触っていない?
大久保)まったく触っていないですね。
黒木)高校サッカーや女子サッカーの解説をなさっていますが、そのような解説はなさっていても、ご自分がサッカーボールに触ることはないのですね。
大久保)ないですね。
黒木)でもいつか来るのではないですか?
大久保)そうですね。遊びなら、来るかも知れませんが、本気で体もぶつけてとなったら、もう無理ですね。痛い。
黒木)育成という道もありますよね。
大久保)そうですね。ただ、まだそこまでは考えていません。サッカーはもう自分のなかでは終わったので。次は違うことにチャレンジしたいなと思っています。
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大久保嘉人(おおくぼ・よしと)/ サッカー元日本代表
■1982年6月9日生まれ。福岡県出身。
■国見高校(長崎)3年生の時に「高校3冠」を達成し、インターハイと高校選手権では大会得点王を獲得。
■2001年にJリーグ「セレッソ大阪」でプロキャリアをスタートさせると、闘争心溢れるプレーで存在感を発揮。
■2003年に日本代表デビュー、2004年にはU-23日本代表の一員としてアテネ五輪に出場、2010年には南アフリカ・ワールドカップ・ベスト16進出に貢献。
■マジョルカ(スペイン)、ヴォルフスブルク(ドイツ)でのプレーを挟みながらヴィッセル神戸に通算6シーズン在籍後、2013年に川崎フロンターレに移籍。2013年以降、史上初のJリーグ3年連続得点王の偉業を達成した。
■2021年のシーズンから古巣・セレッソ大阪に復帰。歴代最多・J1通算191得点。
■2021年11月19日に現役引退を発表。
■2004年に妻・莉瑛(りえ)さんと結婚。長男・碧人(あいと)、次男・緑二(りょくじ)、三男・橙利(とうり)、四男・紫由(しゆう)。4人の男の子のお父さん。
■ラストシーズンとなった2021年には三男・橙利くんと大阪で2人暮らし。2021年11月に著書『俺は主夫。職業、現役Jリーガー』(講談社)を出版。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳