石油元売りへの補助金は間接的すぎる ~ガソリン価格の高騰で「トリガー条項」発動はあるか

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月31日放送)に中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が出演。萩生田経済産業大臣が1月29日、ガソリン価格の高騰が続く場合は「追加制度も考えなければならない」と発言したというニュースについて解説した。

石油元売りへの補助金は間接的すぎる ~ガソリン価格の高騰で「トリガー条項」発動はあるか

ガソリン価格が高騰=2021年11月17日午後、東京都内 写真提供:産経新聞社

ガソリン価格高騰、影響が続く場合は追加制度も検討

ガソリン価格の上昇を抑えるため、政府は3月末までの時限措置として、石油元売り各社に補助金を支給する制度を導入した。1月27日から適用を開始している。萩生田経済産業大臣は29日、「まずはこの制度がしっかり機能しているか確認して行きたい」とした上で、国民生活への影響が続く場合には「追加制度も考えて行かなければならない」という認識を示した。

飯田)石油備蓄基地などの視察で訪れた北海道苫小牧市で、記者団の取材に応じたということです。元売りへの補助金はリッターあたり3円少しというところです。

野村)金額は小さいですし、さらには元売りに補助金を出せば小売価格も下がるだろうという発想ですが、必ずしもそうなるとは限りません。小売価格が一瞬下がっても、またすぐに上がってしまうということもあり得るわけです。そうすると、元売りに補助金を出すという仕組みは、やや間接的すぎると思います。

飯田)間接的すぎる。

野村)次の手としては、やはり減税ですよね。ガソリンにはガソリン税がかかっていますが、ガソリン税の一部を減税してしまえば、小売価格はその分下がります。これを実行すべきではないかということが問題になっています。

飯田)なるほど。

野村)ご存知の方が多いと思うのですが、法律上は「トリガー条項」と言って、「ガソリン価格が3ヵ月続けて1リットル当たり160円を超えた場合、自動的にガソリン税が25円下がる」というルールになっています。しかし東日本大震災があったために、その減税措置をいまは取れず、凍結している状態です。凍結を解除すれば自動的にトリガー条項が発動できるのです。ただ、減税幅が大きいので、財務省が渋っているのではないでしょうか。

国会で議論するべき

飯田)端境期には、買い控えとその駆け込み需要があったり、高く仕入れたガソリンを安く売らざるを得ない小売店に負荷がかかるなど、激変緩和措置が必要な場合もあり、さらにお金がかかることもありそうですね。

野村)でも、買い控えの話などは財務省がよく言う論理なので、役所は反対なのかも知れませんね。

飯田)この辺りも国民生活に直結するので、国会で議論してもらいたいですね。

野村)まさに国会で議論して欲しいですね。

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