3回目のワクチン接種が進まない「2つの理由」
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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月22日放送)にジャーナリストの有本香が出演。3回目のワクチン接種を申請した大学が1回目の半数未満であるというニュースについて解説した。
大学での3回目ワクチン接種、初回の半数未満
大学を会場とした新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が2月末から本格化する。文部科学省によると、3回目を申請した大学は1回目の半数未満である176大学にとどまっており、文部科学省は各大学に検討を呼び掛けている。
新行)大学でのワクチン接種は去年(2021年)6月から始まり、1回目は364の大学、短大、高専で実施されました。学生や教職員の他、近隣住民ら合わせておよそ155万人が接種。今回の3回目接種は、卒業式など行事の多い時期と重なる他、自治体による接種が進んでいることなどからも見送る大学が出ています。東京大学は3月1日から、慶応大学は3月下旬、早稲田大学は4月中旬からの実施を予定しているということです。
有本)新型コロナウイルスの現段階での対策については、3回目のワクチン接種の問題、そして水際での規制を緩和するというニュースも入って来ていますが、実際に緩和されているのです。入国した人たちを隔離する期間も短くなっています。両方に共通して言えるのは、優先順位ということなのです。
新行)優先順位。
有本)3回目のワクチン接種、ブースター接種に関してですが、いま読んでいただいた記事では、「大学で集団接種をする」とあるではないですか。
新行)会場として大学を使って。
有本)「近隣住民など合わせて155万人が接種した」とあります。確かに近隣の方々が大学に行けば打てるというのは便利だったと思うのです。前回まで。
3回目のワクチン接種が進まない2つの理由 ~接種しても状況がよくならない
有本)3回目のブースター接種がどうして進まないのか、理由はいくつかあります。1つは、2回目を打つまでは、みんなで打てば感染もあまり拡がらないし、重症化も抑えられる。自分のためというよりも、「社会を正常に動かして行くために打とう」ということでした。ところが実際に打ち終えても、まだまだ制限がかかるのでしょうと。「まん延防止でしょ」という状況が続くのであれば、一体何だったのかという話になっているのです。
若い人がブースター接種する必要性を説明できるデータはない ~個人それぞれが接種するべきかを判断すればいい
有本)もう1つは優先順位なのですが、WHOが1月18日くらいに、「健康な子どもや若い人に関しては、ブースター接種の必要性をきちんと説明できるデータはない」と言っているのです。日本のメディアではごく一部しか報道していないのですけれども、この状況をみんな肌感覚でわかって来ているわけです。
新行)必要性を説明できるデータはない。
有本)では、若い人が率先して打つ意味はどこにあるのですかと。優先順位ということで言いますと、高齢者やリスクの高い人から打てばいいのではないかということです。そのことを政府もはっきりと方針化すべきですし、ワクチンに関して言うならば、いまとなってはデメリットの部分も含めて、もっと情報を出すべきです。
新行)もっと詳しい情報を。
有本)それぞれが自分の状況を鑑みて、「いま打つべきかどうか」という判断をすればいいことだと思います。「とにかく打て」とか、前のときと同じように「1日100万回接種が目標だ」ということは、もう段階として違うと思います。
水際規制を緩和する一方で「まん延防止」を延期 ~国民を納得させられない
有本)さらにもう1つの優先順位は、水際対策を緩和する一方で、まだ「まん延防止」などと言っているわけではないですか。若い人に関して言うと、大学生は約2年間、まともなキャンパスライフを送れていないのです。そのまま3年生になったら、来年は就職活動ですかと。このような状況のなかで、ワクチンを去年と同じように1日100万回打てばいいと言っても、納得できないですよね。どういう政策を先にやるべきか、政府は論理的に組み立てて、国民に説明するべきだと思います。
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