ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月24日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。二階派と片山さつき氏の間で対立している片山氏の二階派退会について解説した。
片山氏の二階派退会の辞め方で二階派幹部と片山氏が対立
自民党の片山さつき元地方創生担当大臣は2月22日、派閥に所属したまま会合に連続して欠席したといった行動を問題視したと見られる二階派からの退会勧告について、2021年12月に既に離脱の意思を明確に伝えたと反論した。これに対し、派閥会長の二階元幹事長ら幹部4人は連名で「まったくの事実無根だ」と否定するコメントを文書で出し、双方の意見が食い違う展開となった。
新行)片山議員は2021年12月24日に二階元幹事長と会い、年内いっぱいで退会する意向を伝えたと説明しており、慰留はなく、その時点で退会が成立したと受け止めたということです。
2021年の自民党総裁選のときに事態は動いていた ~高市氏を支持した片山氏
鈴木)片山さんの方には23日に取材に行きまして、そこで片山さん側の話を聞きました。2021年12月24日に会った、会わない、そこで伝えた、伝えていないということになっていますが、もっと前に事態は動いていたのです。
新行)もっと前に。
鈴木)2021年の自民党総裁選のときに、片山さんは高市さんを支持しました。二階派としてはギリギリまで態度を示さないなかで、河野太郎さんを推すかどうかなど、いろいろありました。
新行)ありましたね。
鈴木)そんななかで、二階派と高市さんとは少し距離がありました。高市さんは安倍さんなどが推していたわけで、高市さんを応援するということになれば、二階派からすると「お前は何だ」という話になりますよね。
新行)そうですね。
鈴木)この辺からもう、片山さんからすれば、二階派の空気が昔とは変わったことを感じていた。政策の方向も、片山さんはどちらかと言うと保守派に近いと自分でも言っていましたが、それに対して二階派は少しリベラル化しているところもあった。そして、いろいろな人たちが二階派を辞めるということもあったので、このころからもう自分は二階派を抜けようという意思は決めていたと言うのです。
「辞め方」をめぐる双方の感情
鈴木)今年(2022年)は参議院選挙もあるため、2021年内に言っておかねばということで、12月24日に二階さんに言ったということです。そこから先は、除名を決めた幹部たちも、「後ろ足で砂をかけて片山さんが飛び出して行く」ということの前に、「こちらの方から処分を出しておこう」という、ある種の派閥のメンツのようなものもあると思います。
新行)派閥のメンツ。
鈴木)ケジメの付け方として、片山さんは自分から言った。二階派としては、そもそも「来る者は拒まず」で片山さんを受け入れたのは二階派なのに、今度は出て行くのか。それならば、その前にこちらの方から除名を突きつけてやる、というような感じなのです。
根本にあるのは自民党派閥の揺れ
鈴木)根っこにあるのは、自民党の派閥がいま揺れているということがあります。佐藤勉さんが抜けるという話が出ている麻生派などもそうです。二階派も菅グループと一緒にやるのかどうかという再編もある。安倍さんのところも、人数が最も多い大派閥とは言われていますが、安倍さんが派閥の会長になってから、安倍さんの路線とは違うという人も安倍派のなかにはいて、人事などをめぐって揉めています。
新行)安倍派も。
鈴木)旧竹下派である茂木派も、会長になった茂木さんに対して「あまりよくない」と言っているOBがいて、派閥運営はどうなるのかと言われています。
新行)茂木派も。
鈴木)自民党の派閥が、いま全体的に大きく揺れているのです。このような環境を許すのは、野党がバラバラでまとまっていないという状況があります。野党が1つの塊になって強ければ、自民党は内輪で喧嘩などしている暇はないわけです。総合的に野党が弱くなっているから、自民党は安心して内輪喧嘩ができる。さらに俯瞰してみると、いま政治は混沌としている、というのが象徴的な状況かなと思います。
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