旗艦「モスクワ」沈没がもたらすロシア軍への影響

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ジャーナリストの須田慎一郎が4月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ウクライナ情勢について解説した。

ロシア黒海艦隊旗艦の巡洋艦モスクワ=2020年7月、ウクライナ・セバストポリ(タス=共同) 写真提供:共同通信社

ウクライナ情勢、ロシアがマリウポリのウクライナ兵に投降を勧告

ロシア政府は4月17日、ウクライナ南部マリウポリで戦闘を続けているウクライナ軍に武器を置き投降するよう要求した。ロシア国防省は16日にマリウポリの市街地からウクライナ軍を排除したとし、市内の製鉄所に少数のウクライナ兵が残されているだけだと発表している。

飯田)このロシア側の主張をウクライナ側は否定しています。「日本時間の4月17日夜までに投降を促す」と言っていましたが、いまのところ動きは見えていません。

須田)マリウポリ制圧は時間の問題で、それが政治的にどういう形で扱われるのかということが焦点になってきているのではないでしょうか。ロシアサイドとしては、ウクライナ軍とゼレンスキー政権を分断し、ウクライナ軍の士気の低下を狙っているのだと思います。

マリウポリを獲ることで東部2州とクリミア半島を陸でつなぎたいロシア

飯田)マリウポリはクリミア半島に向かうアゾフ海のなかほどに位置しています。ここを獲るとロシア側にとっては、東部2州とクリミア半島を陸でつなぐことができる。その辺りも狙いとしてあるとも言われています。

須田)最終的にはオデッサを攻略して、ウクライナが黒海あるいはアゾフ海にアクセスするところを遮断し、補給を断つことが狙いとしてあるのだと思います。

「モスクワ」が沈没したことで、「ネプチューン」の射程範囲から退く黒海艦隊 ~ロシアの攻撃に影響も

飯田)週末には、ロシアの巡洋艦「モスクワ」がウクライナ側からの地対艦ミサイルによって沈没したという報道が出ています。戦況がどちら側に有利なのかが見えづらいですね。

須田)「モスクワ」はロシア黒海艦隊の中心艦船です。旗艦と言われています。旗艦が沈められたという心理的ダメージは大きいと思います。

飯田)旗艦ですからね。

須田)ロシアは未だに制空権を確保できていません。それを補うために艦砲射撃をして攻撃を支援していたわけですが、「モスクワ」が沈没したことによって、黒海艦隊が対艦ミサイル「ネプチューン」が届かないところまで引き下がるという状況になっています。戦略的にも大きく影響しているのだろうと思います。

飯田)半径100キロくらいの防空システムをあの船で行っていたのが、なくなってしまったということで、クリミア半島まで丸裸になるのではないかという話も出ています。

須田)狙い撃ちされるのではないかということです。もともとネプチューンはウクライナ製なのですけれども、それを供与されていた国から再度引き渡しを受けて、それが整備されるとなると、ロシアとしても軽々には艦隊を動かせなくなります。

ロシアが制空権を確保できない2つの理由

飯田)一説にはドローンでかく乱して、防御が手薄になったところに撃ち込んだという話も出ています。

須田)大前提として、制空権が確保できていないことがいちばんの問題なのだと思います。地上部隊を支援するには、やはり空軍が必要なのです。

飯田)地上部隊を支援するには。

須田)まず、そのために空軍は大規模な作戦を行わなくてはなりません。複雑で重層的なオペレーションが必要になるのです。その作戦を立案しなくてはならないというのが1点目です。

飯田)複雑な作戦を立てなくてはならない。

須田)2点目としては、飛行士たちの練度が必要になります。しかし、ロシア側はどちらも欠けているのではないかということです。

飯田)錬度も。

須田)ロシア空軍は、これまで紛争に介入しても結果を出していないのです。地上部隊が一気に制圧してしまうことが多かった。これだけ戦況が長引いてくると、空軍が支援できないことが大きな影響をもたらし、結果的に戦争が泥沼化することにもつながります。

攻撃型の兵器で反撃に出ようとするウクライナ ~「モスクワ」沈没の衝撃が大きいロシア

飯田)その辺りを見据えながらかも知れませんが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、戦車など、地上戦用の兵器を新たに求めています。

須田)あとはドローンなどですね。これまでは相手が攻めてきたときに防御するための兵器でしたが、今度は攻撃型の兵器になります。これは「ロシアに制圧されたところを奪還する」という意味合いを持っています。だからこそ、ロシア政府はアメリカ政府に対して書簡を出し、警告したのです。

飯田)モスクワ沈没は相当衝撃的だったようで、キーウ周辺に大量のミサイルを撃ち込んでいますが、これは報復なのですか?

須田)加えて、ネプチューンの工場がそこにあったという言い方をしています。モスクワの沈没について、当初は「ウクライナのミサイル攻撃によって沈没したわけではない」と言っていましたが、その工場を攻撃するということは……。

飯田)最初は艦内で火災が起きて誘爆したという報道でしたが。

須田)相当痛かったということだと思います。

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