まったく見えてこない 北朝鮮のミサイル開発の「狙い」

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ジャーナリストの須田慎一郎が4月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮の現状と今後の方向性について解説した。

まったく見えてこない 北朝鮮のミサイル開発の「狙い」

2021年10月10日、平壌の朝鮮労働党本部で演説する北朝鮮の金正恩党総書記 朝鮮通信=時事 写真提供:時事通信

北朝鮮が「新型戦術誘導兵器」の発射実験に成功したと発表

北朝鮮の朝鮮中央通信は4月17日、金正恩総書記が視察するもとで「新型戦術誘導兵器」の発射実験に成功したと報じた。北朝鮮は小型化された戦術核の運用に向けた兵器だと強調していて、海洋型の短距離弾道ミサイルとみられているが、日本の防衛省では引き続き情報収集・分析を行っている。

飯田)4月18日から米韓合同軍事演習が行われるということで、その牽制(けんせい)だという分析もあります。

須田)現状ではアメリカも韓国も、北朝鮮に対して融和策を取ってこないということを想定して、いまの動きがあるのだろうと思います。少し前までは、経済制裁の早期解除のために、北朝鮮とアメリカが直接交渉するという状況にあったわけです。しかし、バイデン政権になり、1対1の単独交渉が難しくなってきたということを受けて、北朝鮮も戦略を変えてきたのでしょうけれども、最終的なゴールがどこに設定されているのか、まったく見えていません。

北朝鮮は何が狙いでミサイル開発をするのか

飯田)北は着々とミサイル開発を続けているということになるわけですか。

須田)着々と開発は続けるのだけれども、「何のために」というところです。その狙いが見えてきません。

飯田)最終的には体制保証というところになるのですか?

須田)前の金正日体制のときに、トッププライオリティとしてあったのは体制保証です。特にアメリカによる体制保証で、それを文書に落とし込むというところまでが目的だったのです。

飯田)金正日体制のときには。

須田)金正恩体制になってから、経済制裁があまりにも効いていて、国民経済が崩壊の危機に瀕しているため、そちらにトッププライオリティが移ったという経緯があるのです。

飯田)経済に。

須田)もちろんトランプ前大統領との直接交渉によって、体制保証は言わずもがなというところになったのだろうと思いますが、何を目的としているのかが見えてきません。ただ、いずれにしても、ロシアや中国との連携が強く伺えるだけに、今後の動きには注視していく必要があるのだと思います。

参院選で憲法改正の議論を進めるべき

飯田)日本としての備えというところで、敵基地攻撃能力など、いろいろな議論は出てきています。抑止はしていかなければいけないというところですよね。

須田)敵基地攻撃能力だけではなく、7月に予定されている参議院選挙において、果たして現状の憲法の枠組みのなかで、ロシア、北朝鮮、中国の危機に対して備えることができるのかどうか。その辺りをしっかりと議論して欲しいと思います。

飯田)憲法9条をどうするかというのは根幹の焦点なのですが、ずっと議論も進まないという状況ですものね。

須田)ただ、ウクライナショックを受けて、状況が180度変わっています。例えば憲法9条に強く固執していた共産党ですら、「急迫不正の事態には自衛隊を活用する」という方向になり、大きなターニングポイントを迎えました。

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