維新との混乱が生じた国民民主の「地域ごとに違う」選挙協力
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ジャーナリストの鈴木哲夫が4月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。参院選に向けた国民民主党の選挙体制について解説した。
国民・玉木代表が連合会長に陳謝
国民民主党の玉木雄一郎代表は4月27日午前、連合の芳野友子会長と東京都内で会談した。玉木氏は国民が日本維新の会と参院選に向けて合意した文書の内容を巡り再協議したことについて「手続きに瑕疵(かし)があった」と陳謝。「大型連休前には何らかの結論を出したい」と伝えた。
飯田)維新の会との相互推薦の文言に誤りがあったということですが。
鈴木)今回の選挙に関して、国民民主のいろいろな選挙協力は、トータルで見ると矛盾がたくさんあります。地域ごとに違うのです。「ここと組む」とする一方で、「ここと組んでいると言うけれど、うちでは敵だよ」というように、バラバラになってしまっている。それを前提として、逆の言い方をすると、「すべて地域事情」として見た方がいいのだと思います。
地域事情により地域ごとに違う国民民主の選挙協力 ~京都では国民民主の前原氏が支援する維新の候補と立憲・福山氏が対立
鈴木)今回、問題になっている維新との関係も京都ですよね。京都については、国民民主と維新というより、国民民主の前原誠司さんと、京都で立候補する予定の立憲の現職・福山哲郎さんがいるわけです。2人のこれまでの確執が原点にある。
飯田)京都では。
鈴木)「そこまで言い切れるのか」と言われるかも知れませんが、実は言い切れます。前原さんがある人に、今度の選挙に「国民民主として出ないか」と接触した際、福山さんのことをかなり意識していたそうです。「福山さんではなく、うちが勝ちたいのだ」というライバル心のようなものをかなり出して、ある人を口説いているわけです。私はその人に取材して聞いたのですが。
飯田)なるほど。
鈴木)根本にはそのような関係がある。福山さん側にもそういう思いはありますし。
飯田)福山さんにも。
鈴木)前原さんがそういう思いだから、維新としても京都で1議席を獲りたくて、前原さんに乗ってくる。選挙だからそのようなことは当然あるのですが、これはつまり京都の事情ということなのです。
静岡では榛葉氏が維新と選挙協力 ~岐阜、滋賀、岡山ではうまくいっている国民と立憲
鈴木)静岡は静岡で、国民民主の榛葉賀津也さんがいます。前回の選挙もそうですが、立憲とかなり揉めています。そのようなこともあって、「維新の力を借りようか」ということにもなります。
飯田)維新の力を。
鈴木)逆に言うと、立憲と国民が裏で話し合ってうまくやっているところもあるのです。岐阜や滋賀、岡山がそうです。このようなところは国民を出して、立憲は地域事情があるからということで引き、立憲が推す形になる。
飯田)裏方に回るというか、自分では候補を立てずに、ということですか?
鈴木)そうです。
東京では都民ファーストと
鈴木)あとは東京です。ここでは「国民はどこと組んでいるのか」という話です。
飯田)そうですね。都民ファーストですか?
鈴木)ここは立憲も出ますし、維新も出ます。しかし、都民ファーストですね。やはり東京には東京の事情がある。
飯田)東京の事情が。
鈴木)国民民主と維新の問題というよりは、各選挙区で対応しているのです。ただ、選挙なので何でもありです。よく地方選挙では、与野党が相乗りで現職を推すことがありますが、それは地域事情があるからだと言われています。
国民民主党が参院選までにどのような大義をつけるのか
鈴木)しかし、今度は国政選挙なので、国家間のことや、どのような国をつくるのかという方向性がある。各地域で「ここと組む」、「こことは組まない」ということになると、政党全体の評価として少しわかりづらくなると思います。
飯田)そうですね。
鈴木)参議院選挙まで時間はあまりないのですが、その辺りをどのように整理するのか。バラバラになっている状態で、国民民主がどのような大義をつけるのか、ということがポイントになると思います。
飯田)26日に玉木雄一郎さんにお話を伺ったのですが、揉めごとのそもそもの文言が政権交代についてだったので、「政権交代を目指さないのですか?」と聞いたら、「参院選は政権交代選挙ではありませんからね」と返ってきました。
鈴木)しかし、過去に政権交代が起きたときのきっかけは、すべて参議院選挙ですよ。
飯田)確かにそうですよね。参院選からの流れで。
鈴木)直接ではないかも知れませんが、極めて影響力のある中間選挙的な意味があるのだと思います。
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