中国警察が国内で活動するソロモン諸島  巻き返しを狙う豪新政権

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地政学・戦略学者の奥山真司が5月31日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。5月30日に行われた中国の王毅外相と太平洋諸国10ヵ国との外相会議について解説した。

「七一勲章」授与式、北京で盛大に開催(北京=新華社記者/劉衛兵)= 2021(令和3)年6月30日 新華社/共同通信イメージズ

中国と太平洋諸国、安全保障などの新構想で合意に至らず

中国の王毅外相は5月30日、訪問先のフィジーで南太平洋を中心とした10ヵ国との外相会議に参加した。オーストラリアのメディアによると、会議で中国は10ヵ国と安全保障や警察、貿易、データ通信で協力する新たな協定案を示したが、一部の国から懸念が出たため今回は合意に至らなかった。

飯田)ソロモン諸島、キリバス、サモア、フィジー、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、ニウエ、ミクロネシア連邦という国々です。

既に中国の警察が国内で活動 ~ソロモンショック

奥山)私は今回のことは「ソロモンショック」と言ってもいいくらいの、大きな外交的問題になっていると考えています。

飯田)ソロモンショック。

奥山)ソロモン諸島では、既に中国の警察が国内で活動しているという話も出ています。日本も気にしなくてはいけないのですが、オーストラリアの裏側で中国が具体的に活動し始めたということで、周辺国やアメリカ、オーストラリアでは大きな問題になっています。「ここに手を伸ばしてきたか」と、気になる動きではあります。

飯田)そうですね。

奥山)この地域において、中国がオーストラリアなどに手を伸ばしている状況は、我々はもちろん知っていたことではあるのですが、具体的に警察まで出してくるということになると、主権はどこなのかという根本的な話にもなります。

オーストラリアの総選挙でソロモン諸島への外交が争点となり、政権交代となった

奥山)この地域はオーストラリアが大きな力を持っていますので、当然、オーストラリアがケアしていかなければならないのですが、それができていなかったのです。今回、オーストラリアの総選挙があり、9年ぶりに政権が交代しました。オーストラリアの選挙などは、我々があまり気にしないところではあるのですが、選挙ではまさに外交的なところが争点になったのです。

飯田)ソロモン諸島に対する外交が。

奥山)オーストラリアがソロモン諸島を中国側にみすみす渡していた。なぜケアできなかったのかということを、当時の野党である労働党側が攻撃したのです。それによって、オーストラリアの政権与党だった自由党が負けてしまったのです。

太平洋諸島の国々のマネジメントができていなかった ~そこへ中国が先に手を出した

奥山)オーストラリアは自分の外交、特に裏庭である太平洋諸島の国々に対するマネジメントができていなかった。そこへ中国側が先に手を出してきたのです。オーストラリアは「我々も忘れていませんよ」という感じなので、外交関係では後手に回っています。

飯田)オーストラリアは。

奥山)ただ、現地の国々にとっては、中国とオーストラリアをはじめとする西側を一応、手玉に取ることはできるのです。それをうまく使うことによって、その国々の生活向上や経済発展に資する感じにはなるのだと思います。

飯田)中国と西側を手玉に取ることで。

奥山)しかし、基本的には、西側がうまく手を差し伸べることができなかったために隙をつかれ、中国がそこに入ってきているという現状は変わりません。チェスのような状況がまた生まれているのです。

日本はラグビー選手などを通じて人的交流はあるのだが

飯田)日本は5Gなど、いろいろな技術協力をオーストラリアやアメリカと組んで行っています。日本は戦前からのつながりがあります。

奥山)あとはラグビー選手が太平洋諸島から日本にたくさん来ていて、人的な交流はあるのですが、経済に関しては勢いのある中国が手を差し伸べてきて、「うちの方に来ないか」と言われると、現地の人たちも「そうですね」ということになってしまうのです。我々西側も頑張って、いろいろとケアしていかなくていけません。

飯田)またこの国々は、台湾と国交がある国も多いのですよね。

奥山)それが中国によって引きはがされてきているというのも、懸念すべきところです。

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