コロナ収束後、期待できる「訪日観光客」 ~日本が世界の観光魅力度ランキング1位に

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ジャーナリストの佐々木俊尚が6月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。コロナ収束後の日本経済について解説した。

コロナ収束後、期待できる「訪日観光客」 ~日本が世界の観光魅力度ランキング1位に

【経済】新型コロナ水際対策緩和が始まり、成田空港では訪日外国人の姿が見られた=2022年6月1日午前、成田空港 写真提供:産経新聞社

令和4年度補正予算が成立

物価高に対応する令和4年度補正予算が5月31日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。一般会計の歳出総額は2兆7009億円で、すべて国の借金である赤字国債で賄う。

飯田)補正予算が5月31日に成立となりました。原油価格高騰対策として、相変わらずの石油元売り各社への補助金などが約1兆1700億円。そして予備費埋め戻しが1兆5200億円となっています。

飲食店が厳しくなるのはコロナ明けから ~給付金もなくなり、人も入らない

佐々木)失業率も改善されてきているので、明るい見通しになっているのかなと思いつつ、コロナ禍がもう2年以上続いているではないですか。

飯田)そうですね。

佐々木)知り合いの飲食の人から聞いたのですが、バーなどの1人でやっている飲食店は、給付金だけで月30万円ぐらい入る場合もあるので、それだけでご飯が食べられてしまう。だから「店を開けなくてもいいや」となって、店を閉めて旅行に行く人も少なくなかったようです。

飯田)スタッフがいないお店はそうですね。

佐々木)コロナ禍が明ければ給付金がなくなるので、店を開けるのですが、その一方で、サラリーマンが会社帰りに飲みに行くというような文化が、習慣として消滅しているようなところもあります。未だに飲みに行きにくいという空気もあります。

飯田)そうですよね。

佐々木)客が戻らないのに国からのお金もなくなるということで、「飲食が厳しくなるのはコロナ明けからだ」と指摘している人がいました。これはいろいろな場面で言えるのではないでしょうか。

飯田)私の知り合いの飲食の人でも、歯を食いしばって店を開けていた人に「なぜ開けているの?」と聞いたら、「お客さんに忘れられてしまったら、次にお店を開けたときに来なくなってしまう。やはり存在感を示し続けることは大事なんだよ」と言っていました。

コロナ禍の2年間、補助金で経済が回っていた部分もある

佐々木)他の業界でも、雇用調整助成金などがコロナ明けでなくなってしまうと、同じことになる可能性があります。

飯田)9月まで延長するようなことを岸田総理は言っていますが。

佐々木)これがあるから持続できていた。言い方は悪いのですが、この2年間、補助金漬けで経済が生きていた部分もあったのではないでしょうか。

飯田)そうかも知れません。

佐々木)お金をもらっていた側からすると、「いま梯子を外されても」という気持ちになり得るかなと思います。その先は大丈夫なのか、懸念は続きますよね。

リーマンショックのときのように、最終的に日本が最も経済的な影響を受けるようなことにならなければいいが

佐々木)日本はコロナ対策をきちんとしてきたではないですか。毎回いつも思い出すのは、リーマンショックのときのことです。当時、日本だけはあまり影響を受けなかったにも関わらず、蓋を開けてみたら長期的な影響は日本が最も大きかったではないですか。

飯田)リーマンのときは。

佐々木)今回のコロナ禍も、日本は欧米に比べて感染者数も少なく、うまく対応したのに、数年後に蓋を開けてみたら、日本が最も経済的な影響を受けていたということにならなければいいのですが。

飯田)そのためには、本当は経済も回していかなければならない。

世界の観光魅力度ランキング1位になった日本 ~コロナ収束後、増える訪日観光客

佐々木)次に何のビジネスをやるか。いま言われているDXのような方向性も大事なのですが、私が注目しているのは観光です。

飯田)6月1日から水際対策が緩和され、外国からの入国者数の上限が2万人に倍増するというニュースも出てきています。

佐々木)世界経済フォーラムという国際機関があるではないですか。

飯田)この間ダボス会議を行ったところですね。

佐々木)あそこが2021年版の世界の旅行・観光の魅力度ランキングを発表しましたが、117ヵ国中、日本が1位だったそうです。フランスやスペイン、イタリアなどを抜いて1位はすごいですよね。

飯田)報道もされていましたね。

佐々木)日本食やアニメなども含めて、日本文化そのものが世界的なブームになっています。コロナ禍で日本が水際で外国人を入れなかったため、「早く日本に行きたい」と叫んでいる外国人はたくさんいたのです。しかも、いまは円安ですよね。訪日観光客からしたら、とても安く日本に来れるのです。おそらく完全に水際がなくなってコロナが収束したときに、「ドカン」と入ってくる可能性は十分にあるのではないかと思います。

年間訪日観光客5000万人の可能性も ~経済のテコ入れに

佐々木)コロナ禍に入る直前の2019年は、年間の訪日観光客数が3000万人を突破していたそうです。トップのフランスが年間8000万人以上と言われているので、そこまではいかないにしろ、5000万人ぐらいなら十分に到達する可能性があります。日本人の人口の半分を外国人で埋められることになります。

飯田)交流人口として。その人たちが日本円に変えてお金を使ってくれるということになると、為替の円安のヘッジにもなる。逆向きの金融になりますね。

佐々木)これ以上コロナ感染で死者や重症者を増やさないように対策は維持しながら、水際を緩和して外国人を入れていく。それによって、かなり経済のテコ入れになり得るのではないかと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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