ジャーナリストの佐々木俊尚が6月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。改正動物愛護法によって義務化される犬や猫へのチップ装着について解説した。
改正動物愛護法 犬・猫にチップ装着義務化
ペットの犬や猫にマイクロチップ装着を義務付ける改正動物愛護法が6月1日、施行された。飼い主の情報が登録されたチップを埋め込むため、首輪のように外れず、はぐれても連絡が付きやすくなる。無責任な遺棄も防げ、環境省の担当者は「所有者がわかるので無闇に捨てる人が減る効果がある」と話している。
飼い主特定が容易になり、安易な遺棄防止に効果
飯田)飼い主を特定でき、飼育放棄も抑制されるのではないかと言われています。
佐々木)1センチぐらいの長さのカプセルのようなものを、注射器を使って皮膚の下に埋め込むのです。これは絶対にやった方がいいです。平気で動物を捨てる人というのはいます。少なくとも抑止効果はあると思います。
飯田)抑止効果にはなる。
佐々木)ただ、完璧かというとそうではありません。私がいま飼っている犬は保護犬だったのです。3年くらい前に、小平市の街なかをなぜか放浪していたところを愛護センターに届けられたのです。それを保護していた動物保護団体の里親募集に応募して、我が家にやって来ました。「ウズメちゃん」という名前を付けました。3歳になって元気に生きていますが、もとの飼い主の段階からチップが埋め込まれていたのです。
住居移転で連絡が取れない場合もある
佐々木)ですので、生年月日もきちんとわかるのです。その保護団体は、もとの飼い主のことは私には教えてくれませんでしたが、マイクロチップには飼い主の名前や住所、電話番号、メールアドレスが登録されていて、データベースを見ればわかるようになっています。
飯田)そのデータから。
佐々木)ところが引っ越したのか、夜逃げをしたのか、事情はわかりませんが、連絡が取れなかったそうです。
飯田)電話もつながらない、メールも返信がないということだと、どうしようもない。
佐々木)これが事件などに関係するのであれば、警察が強制捜査をしてどこの誰かを特定することは容易に可能だと思いますが、保護団体ではそこまでできません。ですので、完璧ではありません。ただ、住居を移さない限りは、どこの誰が捨てたのかということは間違いなくわかり、保護団体や愛護センターから連絡することができる。それは犬や猫を捨てるという行為の抑止力にはなると思います。
ブームによって違う犬に替える人もいる
飯田)動物には命があり、飼う側にも責任が伴います。「可愛い、可愛い」ということだけではダメですよね。
佐々木)私も長年、犬を飼っていて、3匹目なのですが、前の2匹は寿命により息を引き取りました。犬はブームがあるのが不思議だと思います。10年くらい前はミニチュアダックスフンドが人気でした。そのあとトイプードルに移った期間もありました。でも、その期間が数年単位なのです。
飯田)短いですよね。その前はチワワだったこともありました。
佐々木)犬の寿命は室内飼いであれば、20年近く生きることもあります。20年経って世代交代をしてブームが変わるのならいいのですが、数年単位でブームが変わってしまうとすると、いままでたくさんいたミニチュアダックスはどこに行ってしまったのか? そう考えると少し恐ろしい話になります。ブームによって飼う犬を替える人というのは、一定数いるということです。
産まれた子犬を飼いきれずに遺棄してしまうことも
飯田)それで多頭飼いができればいいけれども、ということですよね。
佐々木)犬を飼ったら「子どもを産ませたい」という願望を持つ人もいるそうです。しかし、犬は子どもをたくさん産むではないですか。そうすると、育てられなくなってしまう。ペットにまつわる闇はいろいろあります。
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