政府はコロナ禍で職を失った人が「再び働ける仕組み」をつくるべき

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ジャーナリストの鈴木哲夫が6月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。新型コロナの特例貸付制度について解説した。

2022年4月26日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202204/26kaiken.html)

新型コロナの特例貸付制度

新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減った世帯に、無利子で生活資金を貸し付ける国の特例貸付制度の利用額が、5月末までに約1兆4000億円に上っていることがわかった。2023年1月から始まる返済について、多数の自治体が「返済困難な借入者が続出する」と強い懸念を示している。

飯田)もともと2020年3月、コロナ禍が始まったころから、この制度も使われ出しました。2つの貸付制度を大幅拡充するということでしたが、いままで何度か延長しています。

鈴木)いまコロナ支援のお金をめぐって、いろいろな事件が話題になっていますよね。

飯田)そうですね。

鈴木)そもそもの支援のあり方など、いろいろな議論が振り返ってされているところですが、貸付制度には「緊急小口資金」と「総合支援資金」の2種類があります。最大200万円が借り入れ可能だったと思います。

本当は支給したいが、バラ撒きや支出になってしまうのでできない ~「生活困窮者は返せない」ということもどこかで織り込んでいる

鈴木)ただ、これはあくまで貸付であって、返さなければいけません。財務省OBの方と話したのですが、本当は生活が苦しい人たちにはお金を支給したいのです。ところが、それではただのバラ撒きや支出になってしまいます。そのために財務省や役所としてはなかなか言えない。

飯田)支給するとは。

鈴木)ですので、「貸付ですが、無利子なので返してくださいよ」と言うのですが、「生活困窮者は返せないだろう」ということは、最初から頭のどこかには織り込んでいたのです。このような本音も、そのOBの方は言ってくれました。

「再び働ける仕組み」をつくるべき

鈴木)本来、それは間違っていると思います。きちんと支給するのならば、することが必要だと思います。もう1つ、考え方を変えなければいけないのは、返せない人たちは最初から返す気がないわけではなく、就職先が見つからないなど、返そうにも返せない人がたくさんいるのです。

飯田)返す意思はあっても。

鈴木)いま、自主廃業をする人も多いです。現金支給も必要ですが、このような人たちや、コロナ禍で仕事を失ってしまったけれど、もう1度働きたいという人たちが再就職できる仕組み、もう1度看板を掲げてやっていける仕組みをつくるような政策も必要なのではないでしょうか。

飯田)再び働けるような仕組みが。

鈴木)最初から「返ってこない」ことは織り込み済みで、しかし、簡単には「支給することができない」というようなグレーなことを言っている以上、このような問題はこれからも常に起こります。

1年は支援し、2年目以上は再就職に政策をシフトする

鈴木)「支給するならば、する」というメリハリをつける。できないのであれば、その代わり再就職などに切り替えていく。「最初の1年間は支援します。しかし、2年目以降は再就職に政策をシフトしていく」ということはできないのでしょうか。この辺りを考え直した方がいいと思います。

飯田)当座の困窮に関しては支給を行い、その先は再就職に、あるいはもう1度商売できるように起動させる。無利子の貸し付けで「儲かったら返してくださいね」とすれば、それはインセンティブにもなりますしね。

鈴木)困った人を助ける方法は、イコールお金だけではありません。次の段階である再就職もセットにして、「お金の支給はこの時期まで、その先は再就職」という、クリエイティブな政策の融合で対応して欲しいと思います。

観光業などがコロナ禍以前の状態に戻るには「2年」掛かる

鈴木)観光業にしても、まだコロナ禍以前の状況には戻っていませんよね。ここですべてオープンにして、いろいろなものを緩和し、経済活動も両立させていく。「だからあとは皆さん民間の努力で」ということは違うと思います。少なくとも、移行期間は1年なのか2年なのか……。ある経産省の現役の人と話したのですが、その人は2年と言っていました。

飯田)2年。

鈴木)「2年も掛かるのですか?」と聞いたら、その人はもとに戻るまでにそれぐらいは掛かるのではないかと言っていました。それならば、その間の移行期間は、形は変えていってもいいのですが、支援を止めてはいけませんよね。その辺りのことを岸田さんにはやって欲しいです。そのようなことが参院選の争点であるべきだと思いますし、不信任の理由を言うのならば、「そこをやっていないではないか」ということだと思います。

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