ジャーナリストの須田慎一郎が6月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本の防衛費について解説した。
高市政調会長、防衛費は「必要なものを積み上げていけば10兆円規模になる」
自民党の高市早苗政調会長は6月12日に出演したテレビ番組で、防衛費について「必要なものを積み上げていけば10兆円規模になる」との認識を示した。また「これから宇宙、電磁波、サイバーという分野で相当な研究開発を行わなければいけない。この部分が絶対的に足りていない」と強調した。
飯田)防衛費の対国内総生産(GDP)比2%という目安について、金額にすれば10兆円規模になるわけですが、高市さんはより具体的に話しています。
須田)近年、防衛費は増額傾向になってきています。ただし、補正で対応しているのです。
飯田)補正予算で。
補正予算ではなく、当初予算として計画的に予算を積み上げる ~外国へのメッセージとしても必要
須田)しかし、補正予算ではなく、当初予算できちんと積み上げていく、実績をつくっていくということが必要だと思います。それは防衛省として、自衛隊として体制づくりをするためにも、やはり計画的に予算を積み上げるという実績が必要です。
飯田)計画的な予算の積み上げが。
須田)もう1つは、防衛予算の増額は何も一朝有事に使うためだけに武器や人員を揃えるのではなく、外国に向けての重要なメッセージがあるわけです。「足りないから補正で付けました」では、メッセージ性としては極めて薄いものになるのではないでしょうか。
2023年度の当初予算にどれだけ積み上げることができるか ~今後予算編成のなかで財務省との綱引きが
飯田)「骨太の方針」を経て、2023年度の本予算が編成されるわけです。ここも1つの勝負になってくるのですか?
須田)そうですね。当初予算でどれだけ積み上げることができるのか。当然、国債の発行との兼ね合いがあるので、高市さんも「短期的には国債で対応する」と言っているわけですが、財務省としては国債発行の制約があるので「ここは補正でいきましょう」というようなことがあるかも知れません。その辺りの綱引きが、今後の予算編成のなかで行われるのではないかと思います。
「増税」に向けてのスケジュールを考える財務省
飯田)他方、今年度(2022年)の本予算は既に上がってしまっているわけで、今年度分に関しては補正で対応するのか、あるいは半年も後ろにずらしてしまうのかということになりますね。
須田)そうですね。その辺りを含めて、どのようなスケジュール感で増額していくのかを示してもらいたい。そして高市さんが言われている「短期的に」ということが重要なのです。どういうことかと言うと、ここ最近行われている議論のなかで、「予算をつけていいけれど、その財源はどうするのか」という財源論が出てくるはずなのです。
飯田)財源論が。
須田)財務省は密かに「増税」に向けてのスケジュール感を考えています。その根拠もあります。一方で、経済を成長させて税収増するのだという議論もしていくべきだと思います。
飯田)円安に振れただけで税収が増えるという話にもなってきていますよね。
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