「ウクライナは士気高く、今後も健闘」「士気低いロシアだが、戦慣れして侮れない」宮嶋茂樹氏が現地取材報告

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ロシアに侵攻されたウクライナに入り2回目の取材を終えて帰国した、報道カメラマンの宮嶋茂樹氏が6月13日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。現地の様子を報告した。

「ウクライナは士気高く、今後も健闘」「士気低いロシアだが、戦慣れして侮れない」宮嶋茂樹氏が現地取材報告

ウクライナを取材する宮嶋茂樹氏(本人提供)

辛坊)ウクライナ国民の士気が気になるところです。皆、本気で「国のために命をかけるぞ」という感じなのでしょうか。

宮嶋)大っぴらに言う人は、さすがに少ないですね。ただ、女性の士気の高さを感じます。ロシアの侵攻後、子供や高齢者を除く男性の出国は禁じられていますが、女性は国外へ逃げようと思えば逃げられるんです。それでも残っている女性はいます。特にハルキウ(ハリコフ)などロシア国境に近い地域の女性たちです。結構、腹をくくっていますよ。「銃は撃てないけど、電話番ならできるわ」と基地の通信を担当している女性もいます。あと、前線に運ぶ料理を作ったり、車の運転をしたりもしていますよ。

辛坊)今回のことで、私、考え方が変わったことが1つあるんです。第二次世界大戦末期、旧日本軍が国民に竹やりで戦わせようとしましたよね。「B29爆撃機を竹やりで落とせるわけないのに」というのが私の感覚だったんですが、「市街戦の本当に厳しい状況下での白兵戦になったら、竹やりでも場合によったら有効かもしれないぞ」と思うようになったんです。

宮嶋)旧日本軍は大戦初期の頃、火炎瓶で抵抗させようともしていましたね。ただ、こうした精神論はさすがにウクライナにはありません。マリウポリが陥落したときも、「何だ、早く降伏しやがって」というムードはなかったです。むしろ、「よく頑張った」とい雰囲気でした。悲観的にはならず、「獲られたものは仕方ないが、獲り返してやる」という楽観的な風潮ですね。

辛坊)ウクライナは今、西側の軍事援助で戦えているようなものですから、軍事援助がなくなったら、実際には戦争を継続できないわけですよね。停戦条件は、最終的にアメリアのバイデン大統領がどこまで兵器を供与するかにかかっている状況が見えてきています。

宮嶋)あとは、NATO(北大西洋条約機構)の軍事援助ですね。

辛坊)日本から見ていての戦況なんですが、ロシアもそんなに長期で戦争を継続できないので、どこかで停戦したいと思っているはずなんです。停戦するときに、最前線がどこに敷かれているかは両国ともに重要になってくると思うんです。私がロシアの立場なら、西側の軍事援助が全て整う前に、一気に最前戦をウクライナ側に押し込みたいと考えると思うんですよ。西側の軍事援助が全て整うのは、どのあたりのタイミングになるのでしょうか。

宮嶋)私は専門家ではないので、そこまでは分からないのです。ただ、現地へ行って感じたのは、ウクライナのものすごい士気の高さに比べて、ロシアの士気の低さです。

辛坊)そんなに低いんですか。

宮嶋)低いですね。

辛坊)なぜ、分かるんですか。

宮嶋)ロシアが撤退した跡には、ゴミや食料が出しっ放しにされて残っていたり、死体まで残していたりしますからね。士気の低さは見え見えでした。

辛坊)ロシア兵は、やる気がないということですか。

宮嶋)やる気がないというか、慌てていたんでしょうね。ふだんから、形跡を残さないといった訓練がされていなかったのではないでしょうか。新兵が多かったということかもしれません。

辛坊)ロシア軍って、実は核兵器を除くと、そんなに強くないということですかね。

宮嶋)いや、強いことは強いでしょう。戦慣れしていますからね。

辛坊)アフガニスタン侵攻は10年も続けましたし、シリアの内戦にも介入してきました。

宮嶋)決して侮れないと思いますよ。

辛坊)ウクライナ侵攻の見通しは、どうなるでしょうか。

宮嶋)ウクライナ軍がもう少し健闘すると思います。

辛坊)停戦のタイミングはどうでしょうか。

宮嶋)私も、早く戦いが終わってほしいとは思いますけれども、残念ながら分かりません。プーチン大統領の胸先三寸ですから。

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辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

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