数量政策学者の高橋洋一が6月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。新型コロナウイルス対策を検証する有識者会議の永井良三座長の会見について解説した。
コロナ対策検証の有識者会議、座長が会見 「すべての検証には何年もかかる」と発言
政府によるこれまでの新型コロナウイルス対策を検証する有識者会議の永井良三座長が会見を行い、「すべての検証には何年もかかり、巨大な組織が必要となる」と述べ、継続した検証が必要であるとの考えを示した。
飯田)永井座長は自治医科大学の学長を務められています。この有識者会議は、初会合からわずか1ヵ月ほどで検証を終えたということです。
行動制限は感染予防にどのくらいの効果があったのか
高橋)知りたいのは、行動制限が感染防止において、どのくらいの効果があったのかということです。それだけ知れればいいですよね。データだけを見ると、行動制限をしてもしなくても、「感染者数が上がって下がって」ということは変わらないのではないかと思います。
飯田)都道府県によっても、考え方が違う部分もあります。奈良県などは隣が大阪でしたが、「まん延防止等重点措置」もほとんど出していませんでした。
高橋)「措置したから下がった」と言う人がいますが、ほとんど関係ありません。私はそれなりの確率で波を当てていますが、「行動制限は効果がない」という前提で計算しています。そうすると当たるのです。
国民が知りたいのは「ワクチンの効果」と「行動制限の効果」
高橋)計算のなかで最も考えられるのは、ウイルスが変異をしていくうちに自己崩壊するというものです。行動制限などは関係なく、ある程度変異をすると、自己崩壊して弱くなります。そうすると、その度に新しいタイプが出て、次の波ができるのですが、それもやがて自己崩壊していく。そのような前提に立つと、説明できるのです。
飯田)それに対して、ワクチンは介入できるということなのですね。
高橋)そのなかには、ワクチンの効果もあったと思いますが、行動制限についてはよくわかりません。国民が知りたいのは、「ワクチンの効果」と「行動制限の効果」だと思います。その2つを知ることができれば十分なのではないでしょうか。
飯田)行動制限で影響を受けた人たちはたくさんいます。飲食店やサービス業、他にも学生さんたちは対面での授業がほとんどできず、修学旅行や運動会などのイベントもキャンセルになってしまいました。
高橋)最初は対応策もわからない状況なので、仕方ないと思うのですが、何回もやっているうちに、「行動制限は関係ない」とみんな思い始めているのではないでしょうか。その研究をしてもらいたいですね。よくわからないままでいると、もう1度同じことを繰り返してしまうことになります。
日本版CDCの新設
飯田)1ヵ月の検証が終わって、そのあと「内閣感染症危機管理庁」ができるということです。そこまでのスケジュールが決まっていたのかな、と思うようなタイミングでした。
高橋)「日本版CDC」というのは菅さんが就任のときに言ったものですが、それをいまやっているのです。
飯田)まるで岸田さんのオリジナルのように言っています。
高橋)「菅総理 日本版CDC」と検索すると、菅政権時の記者会見の様子が出てきます。よくわからなかったのは、「行動制限とワクチンにどのような効果があったのか」ということです。その検証を政治的に優先してやってくれればいいのです。すべての検証に時間が掛かるということはもっともだと思いますが、個別の検証にどのくらいかかるのかというところを聞きたいです。
今後のためにも「行動制限はどこまで必要か」という検証は必要
飯田)この先、新しい変異やまったく別のウイルスが入ってくるということを考えると、「行動制限はどこまで必要か」という検証はして欲しいですよね。
高橋)効果があるのならばいいのですが、もし効果がないのであれば、何のためにやっているのかわからないではないですか。
飯田)店を閉めざるを得なかった店主の方などは、「自分たちは一体何のために」ということにもなります。
高橋)釈然としませんよね。すべての検証は難しいとしても、大体の話はしてもらわないと、これから国民もどこまで協力していいのかわかりませんよね。
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