黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(6月22日放送)にラジオDJ・ナレーターの秀島史香が出演。自身の著書『なぜか聴きたくなる人の話し方』について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。6月20日(月)~6月24日(金)のゲストはラジオDJ・ナレーターの秀島史香。3日目は、最新刊『なぜか聴きたくなる人の話し方』について---
黒木)5月に出版された『なぜか聴きたくなる人の話し方』(朝日新聞出版刊)。この本は多くの人に読んでいただきたいと思います。
秀島)仕事柄、話し方についての相談をよく受けるのです。「会話が続かない」、「雑談がうまくできない」という相談です。
黒木)会話について。
秀島)コロナ禍で、人と会って普通に話すというのが難しいではないですか。コミュニケーションのお悩みが増えてきていると思います。
黒木)コロナ禍で。
秀島)そんななかで、自分がいままでラジオをしてきて、「何だ、こうすればよかったのか」というような小さなヒントを本にしてみようということで、今回書いてみました。
黒木)『なぜか聴きたくなる人の話し方』というタイトルではあるのですけれども、お人柄がすごく出ていますね。「こういう考え方ができるのか」という感想を持ちました。
秀島)ラジオの仕事を25年間やってきまして、いろいろな方とお話をする機会に恵まれてきました。そのなかには「この人とは気持ちよくお話しできる」という人がいるのですが、「それはなぜだろう」とラジオDJとして1つの好奇心がずっとあったのです。
黒木)この人とはなぜ気持ちよく話せるのかと。
秀島)それを突き詰めて言葉にできないかなということで、「33」という項目に分けて書いてみました。気持ちよく話せる人の皆さんに共通するのは、どこに行っても「自分が、自分がという方ではない」ということです。
黒木)「自分が、自分が」という人ではない。
秀島「聞いて、聞いて! 私、こんなことがあって!」と、相手のことをあまり考えずに自分のボールを好きなように投げ続けるような方は、ずっと聞いていると疲れてしまう。翻って、「一緒にいて疲れない人ってどんな人だろう」という問いを立ててみると、もしかすると、ということでいろいろなヒントが生まれてきました。
黒木)相手の方がどう思っていらっしゃるか、どう空気を読むかというところで。
秀島)ラジオDJは声だけで表現する仕事なので、新人時代は、とにかく自分がどれだけものを知っているか、どれだけ綺麗な言葉を巧みに操るか、というように「自分が、自分が」ばかりになってしまっていたのです。そうすると相手のことを置いてけぼりにしてしまうのです。そのことにようやく気付くことができましたが、たくさん失敗してきました。
黒木)それは私もたくさん失敗しましたけれども。
秀島)「口先」とはよく言ったもので、きれいな言葉でペラペラ喋ろうとしても、心構えの設定がしっかりしていないと、「いいこと言ってやろう」「頭がいい人だと思ってもらおう」など、「好感度を上げよう」としているのが透けて見えてしまうのです。
黒木)そうすると出てこないのですよね、本心がね。
秀島)それがラジオの面白さでもあり、怖さでもあり、奥深さでもあるのですけれどもね。
黒木)長くやっていらっしゃるのに、そういう時代もあったのですね。
秀島)いまでも生傷だらけです。
黒木)本当ですか?
秀島)失敗しては帰り道で「ああ~」となっています。
秀島史香(ひでしま・ふみか)/ラジオDJ・ナレーター
■神奈川県茅ケ崎市出身。高校卒業までをアメリカ合衆国で過ごす。
■慶應ニューヨーク学院卒。慶應義塾大学法学部政治学科卒。
■大学在学時にラジオDJデビュー。語学力を生かし、外国人アーティストとの共演や同時通訳も行う。テレビ、映画、ウェブサイトなどでのナレーションの実績も多く、アニメの声優も担当。これまでに訪れた国は40か国以上。
■ベルギー在住を経て2017年春に帰国。
■現在は、Fm yokohama『SHONAN by the Sea』、JFN系列全国ネット『Pleaseテルミー!マニアックさん。いらっしゃ~い!』、TVナレーションでは、Eテレ「趣味どきっ!」、「デザイントークス+」、「あしたも晴れ!人生レシピ」、テレビ東京「二軒目どうする?~ツマミのハナシ~」、「昼めし旅」など、数多くの番組を担当。
■著書に『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』など。
2022年5月20日に『なぜか聴きたくなる人の話し方』を刊行。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳