ジャーナリストの須田慎一郎が7月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。6月の企業短期経済観測調査について解説した。
6月の全国企業短期経済観測調査(短観)
日本銀行が7月1日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、最近の景況感を示す業況判断指数(DI)が、大企業製造業で前回(3月)調査から5ポイント下落のプラス9となり、2四半期連続で悪化した。
必ずしも悲観する数字ではない ~イメージ通りの景気回復のプロセス
飯田)日銀短観について、足元の経済は今回の選挙における争点の1つでもありますけれども、あまり芳しくない数字です。「2期連続で悪化」などという見出しも出ていましたが、どうご覧になりますか?
須田)大企業非製造業が4ポイント改善してプラス13になった。特に対個人サービスは前回マイナス圏だったのですが、これがプラス18に大幅改善したところを見ると、必ずしも悲観する必要はないのかなと思います。
飯田)悲観する必要はない。
須田)イメージ通りの景気回復のプロセスではないでしょうか。これから秋へ向けて個人消費がどうなっていくのか。やはりGDPの5割強~6割弱を占める個人消費が景気の牽引役になっていく。加えてこの番組でも何度か取り上げたと思いますが、強制貯蓄があります。
コロナ禍で使われなかった「強制貯蓄」が50兆円を超えている ~ここへ来て消費意欲は高まっている
須田)コロナ禍でなければ使われていたお金が使われずに、個人や企業の手元に残っている。日銀の試算によると、50兆円を超えていると言われているわけです。
飯田)50兆円。
須田)特に飲食やレジャー、観光というところに対して、コロナ禍は使われていません。これが出てくる。マインド的には、ここへ来てかなり消費意欲は強くなっています。新幹線も満席というような状況になっているし、空港に行っても観光客が多くなってきました。
飯田)そうですね。
須田)こういったところが牽引してくれれば、個人消費が主導して景気回復のゆるやかなプロセスに入っていくのではないかと見ています。
選挙前にGo To トラベルなどの施策をするべきであった
飯田)その辺りが国内に落ちていくと、いままで痛手を被っていたサービス業が潤っていくことになる。日本経済にとっては悪くありません。
須田)そうなれば企業の方も設備投資という動きになってくるでしょうし、消費が拡大するとなると雇用も確保の方向へ向かい、賃金が上昇します。いまはその重要な岐路に立っているのだと思います。
飯田)景気回復のために待つのか、または財政が少し後押しするのかという辺りが議論になるところですか?
須田)この選挙前にGo To 事業など、50兆円を引き出すための施策をやるべきだったのです。
飯田)参院選の投票日まで、まだ1週間ありますから、政策論争を続けていただきたいですね。
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