キャスターの辛坊治郎が7月11日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。参院選の街頭演説中に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の人柄について「こんなに率直な政治家はいなかった」と語り、その死を悼んだ。
増山さやかアナウンサー)安倍晋三さんは首相時代の2016年2月20日、この番組(当時、土曜放送)にご出演されています。「安倍晋三×辛坊治郎 そんなことまで聞くか!」と題してお送りしましたが、打ち合わせなしのガチンコな会話を辛坊さんと交わしていました。当時の様子を録音で振り返ってみましょう。
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辛坊)安倍さん、事前の打ち合わせもなしに、しかも関東ローカルのラジオ番組に出ても、何のメリットもないでしょ?
安倍首相=当時)私、若いときにラジオが好きでしたしね。それと、辛坊さんの番組に出るというのは大きなリスクなんですが(笑)、そのスリルを何となく味わってみたくて。
辛坊)今日、一番聞かれたくないことないことは何ですか。
安倍首相)それを言うと、辛坊さん、聞くと思いますよ。
辛坊)安保関連? 消費税関連? 解散関連?
安倍首相)何でも結構です。
増山)「辛坊さんをどうしても閣僚にしないといけないとしたら?」という質問をリスナーからいただいています。
安倍首相)なかなか難しいですが、思い切って、官房長官ですね。
辛坊)おおっ! では、用心しながら聞いてくださいね。次期アメリカ大統領候補、トランプさんを、ずばり、どう思いますか。
安倍首相)ノーコメント。
辛坊)そうですよね。最後まで候補に残って、本当に大統領になる可能性がないとはいえませんからね。
安倍首相)アメリカの大統領選挙ですからね。当然、日本の首相としてはコメントできませんね。
辛坊)ここでボロカスに言っておいて、トランプさんが大統領になったとき、あのとき、あんなこと言っていた、なんてことになったら困りますもんね。で、どう思いますか。
安倍首相)ノーコメント。
辛坊)私、いろいろな政治家にインタビューする機会がありますが、生放送の場合、質問内容を事前に全部提出させる政治家もいるんです。そのうえ、本番では本人の後ろに秘書みたいな人が3人くらい並んで、「事前に提出した質問内容以外を質問したら、帰るからな」といったプレッシャーをかけてくる政治家もいるんですよ。事前に渡した質問通り一言一句間違えずに聞かないと、怒り出す政治家もいます。
ところが、安倍さんは、そうしたことは一切ありませんでした。そういう意味では、安倍さんは日本では極めて稀な政治家でしたね。安倍さんのことを勘違いしている人もいるようですが、私が知る限り、こんなに率直な政治家はいなかったと思います。
増山)安倍さんの人柄だったのでしょうね。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)