医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が6月8日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。心身をリセットする食事法や呼吸法について語った。
「カルシウムが不足するとイライラする」ことはない
飯田浩司アナウンサー)今回は体をリセットするための食事法について伺います。
森田)これまで自粛が続いていて、イライラする方も多かったと思うのですが、そんなときに摂るといい栄養素と言うと、何を思い浮かべますか?
飯田)カルシウムが不足するとイライラするとよく聞きますが。
森田)実はカルシウムとイライラは関係ないということがわかってきたのです。
飯田)そうなのですか?
森田)日本人のカルシウム摂取量が少ないということと、ストレス社会でイライラしている人が多いことを短絡的に結びつけただけなのです。カルシウムを摂取したからといって、イライラが収まることはないようです。
果物と野菜を食べると幸福度、健康に対する満足度が上がる
森田)では、イライラしたときに、何を食べればいいのか。まずは、果物と野菜を食べるといいという報告があります。2016年に『アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルス』に掲載された調査なのですが、果物と野菜を食べる量を増やした人は、幸福度や生活、健康に対する満足度が高まったという結果が得られたのです。
飯田)果物と野菜の量を増やすと。
森田)栄養素自体に、神経や脳におよぼす影響もあるのでしょうし、「健康的なものを食べている」という心理的な効果があるのではないかと思います。
飯田)なるほど。
森田)野菜や果物を食べたあと、少し幸せな気持ちになりませんか?
新行市佳アナウンサー)身体にいいことをしているような気にはなりますね。
森田)いいですね。
飯田)血液がきれいになっているぞ、というような。
新行)きれいになっているような気はしますよね。
安倍元総理も実践していた「ハーバード式呼吸法」 ~気持ちを落ち着かせる
森田)さらに、イライラをやわらげ、気分をリフレッシュさせる呼吸法があります。医学的に報告されているのはどちらでしょうか? 「東大式呼吸法」と「ハーバード式呼吸法」。
飯田)勉強法のようですね。
新行)東大の呼吸って強そうですよね。
飯田)それを言ったら、ハーバードだって。
新行)どっちだろう。
森田)正解は、「ハーバード式呼吸法」です。ハーバード大学出身のワイル博士が考えたもので、別名「4-7-8呼吸法」とも呼ばれています。「4-7-8」とは何かと言うと、鼻から4秒かけて空気を吸い込み、7秒息を止める。そして8秒かけて、ゆっくり口から息を吐き出すというものです。大事なのは、吸う時間の2倍を吐く時間に費やすことです。「4秒かけて鼻から吸って、8秒かけて口から吐き出す」、これでもいいと思います。
新行)そうすることで、リラックスできると。
森田)交感神経の高ぶりが抑えられて、気持ちがスッキリするということです。実際に安倍晋三元総理大臣は、野党からの野次を受けるときに、よくこれを利用していたということです。
新行)そうなのですか。
森田)この呼吸法で、気持ちを落ち着けて答弁していたのでしょうね。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます