アルツハイマー型の認知症を防ぐ「4つの習慣」
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が6月11日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍で心配な「アルツハイマー型認知症」の予防法について解説した。
飯田浩司アナウンサー)コロナ禍で対人接触が乏しい人は、アルツハイマー型認知症の発症率が高くなるということですが、予防するにはどうしたらいいですか?
森田)アルツハイマー型認知症については、効果的な予防法がわかって来ましたので、いくつか挙げさせていただきます。
予防法「その1」……運動
森田)まずは運動した方がいいということです。運動習慣がない人を100%とすると、運動習慣がある人の危険度は50~60%に減るのです。アルツハイマー型認知症になるリスクを半分くらい下げるということです。これは有酸素運動によって脳が活性化するからではないかと考えられています。アルツハイマー病は脳の病気ですが、どんな病気でも運動するのは大事だということです。
飯田)過度に負担をかけずに、ジョギングなどをすると、景色も見えるので刺激が入るということですか?
森田)そういうことですね。
予防法「その2」……魚を食べる
森田)次に食事なのですけれど、どんなものを食べたらアルツハイマー型認知症の予防に効果的だと思いますか?
飯田)魚でしょうか。
森田)正解です。魚介類に含まれるEPAやDHAが、認知症予防に効果的だと考えられています。1日に1回以上魚を食べている人は、食べていない人に比べてアルツハイマー型認知症になる危険性が5分の1ほどに低くなるという研究結果があります。ですから積極的にDHA、EPAを摂るということは大切です。
予防法「その3」……短時間の昼寝
森田)さらに最近の研究では、短時間の昼寝も認知症予防に効果的とされています。
飯田)本当ですか。
森田)30分以内の昼寝の習慣があると、アルツハイマー型認知症になるリスクが5分の1になるという研究があるのですけれど、逆に60分を超える昼寝をすると、発症率を高めてしまうと考えられています。
飯田)そうなのですか。でも、昼寝すると寝てしまうのですよね。
予防法「その4」……適度な飲酒
森田)嬉しい話もあって、適度な飲酒はアルツハイマー型認知症の予防に効果があるということです。
新行市佳アナウンサー)適度とは?
森田)ビールだと1週間で中瓶1~6本、ですから1日中瓶1本くらいですかね。
飯田)中瓶1本でもうおしまい?
森田)それで終わりですね。フランスのボルドー大学の研究だと、1日グラスに3杯のワインを飲んでいる人は、認知症になるリスクが4分の1になったということです。
飯田)グラス3杯だと、そこそこいい感じになります。
森田)これはフランスの研究なので、日本ではグラス1~2杯なのだと思いますけれどね。飲み過ぎると認知症になるリスクが高くなる。例えば1年間に2回以上酔いつぶれる経験のある人は、そうでない人に比べて10倍も認知症になるリスクが高いということです。
飯田)1年間に2回というのは結構ハードルが高いですね。
森田)飲み過ぎはよくないということですね。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます