ジャーナリストの鈴木哲夫が7月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。東京電力の旧経営陣4人に13兆円の支払いを命じた原発事故をめぐる東京地裁の判決について解説した。
東京電力旧経営陣4人、原発事故で13兆円の賠償命令
東京電力福島第一原発事故をめぐって、東電の株主らが旧経営陣5人に合計22兆円を支払うよう求めた株主代表訴訟の判決で、東京地裁は7月13日、旧経営陣5人のうち4人に対し、合計13兆3210億円の支払いを命じた。原発事故をめぐる旧経営陣の責任を認めた判決は初めてで、国内の裁判の賠償額としては過去最高額と見られる。
原発問題への1つの判断基準が示された
飯田)あのとき顔を見たメンバーですよね。勝俣元会長、清水元社長。武黒元副社長は当時、「武黒フェロー」と言われていました。それから武藤元副社長。
鈴木)これは株主訴訟と表現されますが、通常の株主訴訟とは中身の意味が違うと思います。
飯田)通常の株主訴訟とは。
鈴木)原発に対しての、ある種の総括です。原発の津波を含めた事故は予見できたのか。それに対して十分な安全対策を取っていたのか。原発政策と言ってもいい。今回は東電であるから民間なのだけれど、原発問題への1つの判断基準のようなものが示されたということだと思います。
飯田)今回の裁判で。
鈴木)これは民事裁判だけれど、刑事裁判では刑事責任を問う。1審では無罪になっていて、今年(2022年)か来年くらいに次の判決になると思うのですが、そこにも影響してくると思います。原発にどう向き合うか、その1つの指針が出された。そういう意味での裁判の質、注目度で厳しい判断が下ったというのは画期的だと思います。
原発政策は国の政策 ~今後は国の取り組みも必要
鈴木)もう1つ私が言いたいのは、原発に関する法律はうまく2階建てになっていて、東電に全部責任を負わせられる。しかし、原発政策は国の政策ではないですか。
飯田)国策民営などと言われました。
鈴木)そういう意味で法律の見直し、建て付けも含めて、原発に関しては政策なのだという国側の取り組みも、これをきっかけに必要になると思います。
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