辛坊治郎「中国のあまりにもひどい実態がわかる」 預金引き出せず3000人規模の集団抗議が勃発

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キャスターの辛坊治郎が7月12日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国でデモともいえる集団抗議が起きたことについて、持論を展開した。

中国・北京の天安門広場で開かれた中国共産党創立100年を記念する式典で演説し、拳を突き上げる習近平党総書記(国家主席)[中国政府のニュースサイト「中国網」の中継動画より]=2021年7月1日 写真提供:時事通信

中国河南省の鄭州市で10日、不正流用事件のため預金の引き出しを停止した地元銀行の預金者約3000人が集団抗議を行い、警官隊と衝突した。中国で数千人規模の抗議活動が行われることは異例だ。習近平国家主席が3期目政権の発足をにらむ今年後半の共産党大会を控え、政府は問題が広がらないよう対策をしている。

辛坊)中国で政治的な理由でデモをしようものなら、すぐに捕まって刑務所に放り込まれますから、誰も怖くてデモなんかできない状況なのですが、今回は政治的な意図ではなく経済的な理由なので、デモする側はしやすいし、抑える側は抑えにくいという事情はありますね。そのため、あれほど厳しい公安体制を敷いている中国でも、こうしたデモが起きてしまったということです。私もよく存じ上げている東アジア情勢に詳しい講談社特別編集委員で明治大学講師の近藤大介氏が書いているコラムを読むと、状況はひどいです。

まず、そもそも何が問題だったかというと、4月中旬に河南省の4つの銀行で預金が引き出せなくなりました。なぜ引き出せなくなったかというと、どうやら経営者がお金を持って海外へ逃げちゃったらしいんです。ひどい話です。ただ、共産主義の国はもともと全てが国営ですから、最終的には国が面倒を見てくれるのかと思っていました。ところが、そうでもないらしいんです。

預金者は、このままお金を引き出せなくなったらどうしようかと、ものすごく危機感を持ちますよね。でも、ひどいんです。預金を引き出しに行こうとしたら、警官隊に阻止され、その警察は捜査中としか言わないんです。加えて驚いたのが、自治体の態度です。自治体が何を始めたかというと、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのシステムを悪用して、その預金者たちに対し、「感染している」「濃厚接触者だ」という通知を送りつけたんです。

習近平体制下では、感染者を1人も許さない「ゼロコロナ」政策をとっています。習国家主席は3期目を目指すにあたり、これまでのやり方が間違いではなかったと示したいがために、ゼロコロナ政策を変更することはしません。そこで、自治体が何のために預金者にそんな通知を送りつけたかという理由ですが、通知を送られた預金者は外出できなくなりますから、騒ぎを起こせなくなります。自治体はそれを狙っているんです。預金者が怒ったのは、銀行と自治体が結託していると不信感を募らせたからです。

中国では不動産バブルが弾けました。河南省でも、建設中のマンションの購入代金を支払って入居を楽しみにしていたにもかかわらず、完成前に建設がストップするケースがあります。このときに自治体がしたことは、こうした購入者をコロナの感染を理由に強制的に自宅隔離にしました。そのうえ、購入代金の払い戻しをあきらめることを条件に、感染者から除外するということまでしているんです。共産主義国家、中国のあまりにもひどい実態が分かりますね。

中国で生きていると、皆がおかしいと思うことはいっぱいあります。けれども、政治的な発言をして公安当局に捕まると、下手をすれば、そのまま刑務所に入れられ二度と帰ってこられないから、黙っているわけです。とはいえ、これだけひどい状況が一般国民の間に広がっていくと、「今の政治体制はおかしいんじゃないか」という声が上がり、それが大きな力となって、政治体制が変わることもあり得るのではないかと思えてきます。

同様のことは、かなり以前から言われていますが、これまでは変わることがなかったですね。やはり、声を上げれば命が危ないですから、国民は怖いんですよ。旧ソ連を振り返っても、約70年もちましたからね。ただ、今回のようなことがあまりに相次ぐと、盤石と思われている中国の体制も、どうなるか分からないですよ。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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