中国への対抗に本腰のアメリカ 「次世代の半導体の主導権」が10年後の力関係を変える

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が8月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。アメリカの半導体産業を支援する「半導体産業支援法」について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

半導体産業支援法

アメリカのバイデン大統領は8月9日、アメリカの半導体産業を支援する法案に署名し、法案が成立した。半導体の生産や研究開発が柱で、527億ドル(約7兆1000億円)の補助金を投じる。国家主導で半導体産業の育成を進める中国に対抗する狙いがあり、補助金を受け取る企業は中国への投資に制限を受けることになる。

飯田)「半導体をどうするのか」ということがキーになってきました。

宮家)中国側はこれに対して「差別的な産業支援策だ」と言っていますが、「おいおい、差別的なことをやってきたのはそちらではないか」と言いたいところです。

飯田)そうですよね。

宮家)次世代の半導体でアメリカが主導権を握るために、これだけ投資するということなのでしょう。方向としては正しいと思います。もちろん、みんなが自由に差別的なことをせず、軍事的な利用に特化しないで、しっかりとしたIT技術の向上のためにやるのならばいいけれども、中国側は必ずしもそうではないですから。やらざるを得ないでしょう。

半導体に関して重要なのは技術者

飯田)半導体に関しては、台湾のメーカーがとても強い。サプライチェーンをどうするかということも問題になってきますね。

宮家)現状では台湾が圧倒的に強いでしょう。中国はその台湾を獲ろうとしているわけで、一部の人は「半導体の産業を根こそぎ持っていく」などと言っていますが、どうやらそれは難しいようです。半導体はお金を掛けて技術を高めればいいものが出てくるわけではなく、歩留まり等々、いろいろなことを考えると、やはり「人」の力なのだそうです。

飯田)人が重要。

宮家)中国が台湾を武力で何とかしようとしたら、台湾の技術者は海外に逃げてしまうでしょうし、そうなれば台湾の技術は獲得できないと思いますね。

飯田)技術者が。

宮家)逆に言うと、技術者がいないところに入っていっても良いものはつくれない。そういう意味では、ただ単にお金の問題だけではなく、人も含めて、アメリカが中国に最先端の半導体がいかないようなシステムをつくろうとしているのかなという気がします。それはそれで本気だなという印象です。

次世代の半導体の主導権をどの国が握るかによって10年後の戦略環境、力関係が変わる

飯田)別の話ですが、ロシアが経済制裁を受けていて、西側から半導体が入ってこない。そのため、いろいろなところで不具合を起こしているようですが、中国はその辺りも見ながらやるのですよね。

宮家)当然、ロシアにも出していると思います。しかし、問題はいまの半導体ではなく、次世代の半導体の主導権をどの国が握るかによって、10年後の戦略環境、もしくは力関係が変わってくるということ。その意味では、アメリカはやるべきことをいまやっているという気がします。

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