外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が8月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政府が調整している防衛費の増額や財源を議論する有識者会議について解説した。
防衛費増額の財源議論を有識者会議で ~日本の外交・安全保障、外交・防衛政策の転機に
飯田)防衛力の抜本的強化に向けて、9月にも有識者会議を新設するそうです。どのような装備品をつくるかというようなことに加えて、財源の部分も含めて議論するということです。
宮家)これはおそらく、戦後の日本の外交・安全保障、外交・防衛政策の転機になると思います。
飯田)転機になる。
宮家)いままでは防衛費のGDP比1%、また敵基地攻撃能力など、いろいろ観念的な議論がありました。しかし、そうではなく、本当に脅威が起こり得ることを考え、現実的な議論をするいい機会だと思います。有識者会議をつくり、本音で侃侃諤諤の議論をしたらいいと思います。もう脅威はいつ起きてもおかしくないわけですから、議論できる人を集めていただきたい。
飯田)本音の議論ができる人を。
宮家)これまで多くの審議会や有識者会議では、シナリオから最終報告書の案まで実際には役人が書いていたわけです。私も1回だけ座長をやったことがありますが、「原案づくりをお手伝いしましょうか?」とみんなが言ってきましたよ。
飯田)お手伝いしましょうかと。
宮家)そこで私は、原案からすべて1人で書いて役人ではない委員だけに見せ、報告書を出しました。役所からは嫌な顔をされたけれど、独立した有識者会議を行うのならば、座長さんが自分で原案を書いてください。
報告書が書ける人を座長に選び、本音で中立、現実的な議論ができる人を集める
飯田)つまり、書ける人をきっちりと座長に選ばなければならない。
宮家)座長ないし、書ける人を何人か内部に入れてください。本当の本音の議論、そして中立で現実的で客観的な議論ができる人を集めていただく。有識者の総意を結集するのであれば、その人に原案を書かせるというのがいちばんいいやり方だと思います。
飯田)座長に書かせるということが。
宮家)そうでないと、独立した意味がありません。その原案を受けるか受けないかは政府が決めればいいのです。いままでは、有識者が出してきたものは役所として拒否できないから、官僚が原案を書いたわけです。そして、そのまま通ると。でもそんなことはもうやめましょう。重要な話なのだから、もう少し自由闊達にやってもいいと思います。
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