“村神様”を止めるのは誰? ヤクルト村上が苦手な投手・得意な投手

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話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、2位DeNAとの3連戦で4本塁打、14打席連続出塁と大当たりだった首位・東京ヤクルトスワローズの主砲、村上宗隆にまつわるエピソードを紹介する。

“村神様”を止めるのは誰? ヤクルト村上が苦手な投手・得意な投手

【プロ野球ヤクルト対広島】勝ってヒーローとなりつば九郎とVサインのヤクルトの村上宗隆=2022年8月23日 神宮球場 写真提供:産経新聞社

これぞ主砲! まさに村神様! そう感嘆したくなるほど、DeNAとの3連戦で見せたヤクルト4番、村上宗隆の打棒は圧倒的だった。まずは、圧巻だったその3連戦の打棒をおさらい。

最大17.5もあったゲーム差が4にまで縮まって迎えた初戦。まずは6回に先制の46号弾丸3ラン。さらに、2点差に詰め寄られた7回には2打席連発となる47号ダメ押し弾でチームを勝利に導いた。

続く第2戦は48号ソロを含め、プロ初の1試合5安打と大暴れ。村上に引っ張られたかのように、この日のヤクルトは23安打7本塁打16得点、まさに夏の終わりの大花火。

そして第3戦では3連続四球のあとで迎えた第4打席。フルカウントになり、また四球か……と思った矢先、低めの球をすくい上げて右中間スタンドに運ぶ技アリ49号。DeNAが同点に追いついた直後だっただけに、またも「ここが勝負どころ」という場面での見事な仕事ぶりだった。

振り返れば1ヵ月前、7月31日の阪神戦。どん底の開幕状態から奇跡的な復活を遂げ、ヤクルトとの差を「9ゲーム」とひと桁台に乗せて上昇気流に乗っていた阪神の勢いを止めたのも、村上の驚異的な3打席連続弾。ここぞの場面で決めるからこその「村神様の存在感」と言える。

こうなると、ヤクルトを止めるための最善策は、村上をどう止めるか。そこで、今季のセ・リーグ投手陣で、「vs村上」で一定の成果を収めている投手を各球団ピックアップ。「彼らをいかにヤクルト戦にぶつけるか」が鍵となるのではないだろうか(以下、村上と今季5打数以上対戦した投手を算出。参照データはヤクルト球団サイト※8月29日時点)

【村上vs 横浜DeNAベイスターズ】

64打数25安打8本塁打22打点17四球2死球11三振 打率.391

今季の村上が最も好成績を収めている舞台が横浜スタジアム。対DeNA戦の打率.391もすごいが、横浜スタジアムに限れば、42打数21安打の打率5割、得点圏打率は6割超え。9月にも横浜スタジアムで2試合あるだけに、ここでの攻め方、投手運用に工夫が欲しい。

<村上を3割以下に抑えているDeNA投手>
■大貫晋一:12打数3安打2本塁打4打点2四球4三振 打率.250
■上茶谷大河:11打数2安打1本塁打1打点2四球 打率.182

<村上を苦手にするDeNA投手>
■今永昇太:5打数2安打1本塁打1打点1四球 打率.400
■エスコバー:5打数3安打2本塁打4打点1死球 打率.600
■濱口遥大:5打数2安打1打点1四球1三振 打率.400

【村上vs阪神タイガース】

59打数18安打6本塁打15打点15四球1死球16三振 打率.305

上述の「3打席連発」の印象が強い阪神だが、それでも村上被打率は.305。現在、打率.340という村上の成績からすれば「対策できている」と見ることもできる。とくに抑えているのが西純矢とガンケル。また、青柳の3三振も光る。

<村上を3割以下に抑えている阪神投手>
■青柳晃洋:7打数2安打1打点2四球3三振 打率.286
■西純矢:6打数1安打1三振 打率.167
■ガンケル:5打数0安打3四球1死球1三振 打率.000

<村上を苦手にする阪神投手>
■西勇輝:6打数2安打1本塁打2打点2四球 打率.333

【村上vs読売ジャイアンツ】

73打数18安打6本塁打24打点15四球2死球21三振 打率.247

実は村上対策に最も長けているのが巨人。セの5球団のなかで唯一、打率3割以下に抑えることに成功している。その筆頭が菅野智之。ここまで打たれたヒットは1本だけ。今季、苦しい投球が続くエースの“意地”を引き続き見せて欲しい。

<村上を3割以下に抑えている巨人投手>
■菅野智之:7打数1安打1打点1四球2三振 打率.143
■戸郷翔征:7打数2安打4四球3三振 打率.286
■堀田賢慎:7打数1安打1本塁打4打点1三振 打率.143
■シューメーカー:12打数3安打1本塁打5打点2三振 打率.250

<村上を苦手にする巨人投手>
■メルセデス:6打数3安打1打点2四球 打率.500

【村上vs広島東洋カープ】

78打数28安打12本塁打25打点18四球23三振 打率.359

村上の“お得意様”となっているのが広島。打たれた本塁打12本は最多。森下、九里、床田、アンダーソンと主要先発陣が軒並み被害を受けている。そのなかで踏ん張っているのが大瀬良大地。対ヤクルト戦防御率は5点台と苦しい投球が続くなか、村上にだけはまだ1本のヒットも許していない。

<村上を3割以下に抑えている広島投手>
■大瀬良大地:5打数0安打1三振 打率.000
■松本竜也:5打数1安打1本塁打2打点2三振 打率.200

<村上を苦手にする広島投手>
■森下暢仁:14打数7安打2本塁打3打点2四球1三振 打率.500
■九里亜蓮:10打数3安打2本塁打2打点7四球2三振 打率.300
■床田寛樹:7打数4安打1本塁打3打点1四球2三振 打率.571
■アンダーソン:6打数2安打1本塁打2打点3三振 打率.333
■ターリー:5打数3安打2本塁打2打点1四球1三振 打率.600

【村上vs中日ドラゴンズ】

63打数25安打11本塁打21打点14四球13三振 打率.397

広島と並ぶ“お得意様”が中日。被打率は4割に届く勢いで、3割以下に抑えた投手はいなかった。ただ、意外なことに得点圏打率.267はセの5球団でもっとも低い。となると、走者がいない、もしくは一塁の場面で不用意に打たれていることを意味する。捕手のリードも含め、投手陣全体の攻め方を見直す必要がありそうだ。

<村上を3割以下に抑えている中日投手>
なし

<村上を苦手にする中日投手>
■小笠原慎之介:11打数5安打3本塁打5打点2四球2三振 打率.455
■大野雄大:5打数2安打1四球1三振 打率.400
■髙橋宏斗:5打数2安打1本塁打1打点1四球2三振 打率.400
■谷元圭介:5打数2安打1三振 打率.400

まずは、あと1打席に迫る廣瀬純(元広島)の日本記録「15打席連続出塁」を更新できるか。記録がかかる30日の巨人戦、ローテ通りならば“苦手な”菅野が先発となるが、果たして?

そして、その先に見据える18年ぶりの三冠王誕生、さらに60本塁打超えは?……と夢が広がる村神様。その偉業達成の瞬間も見てみたいが、対戦する投手陣の意地だって期待したい。高いレベルでのせめぎ合いこそがプロ野球を面白くしてくれるはずだ。

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