日本企業が社内留保を社員に回さない原因は「経営者報酬」の決め方にあり 森永卓郎が自説語る

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経済アナリストの森永卓郎氏が8月31日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、キャスターの小倉智昭氏と対談。企業が社内留保を社員に回さない理由について解説した。

日本企業が社内留保を社員に回さない原因は「経営者報酬」の決め方にあり 森永卓郎が自説語る

※イメージ

増山さやかアナウンサー)森永さんは2003年、『年収300万円時代を生き抜く経済学』を出版されています。これは新語流行語大賞のトップテンに選ばれました。あれから20年近くたちますが、今の日本の企業について、どのようにご覧になっていますか。

森永)私は当時、あの本を出して袋だたきにあったんです。「そんな時代がくるわけないだろ」「みんなの不安をあおって本を売る、一種の貧困ビジネスだ」なんて言われました。でも、今の年収分布を見ると中央値は300万円で、ど真ん中なんです。それが、どんどん落ちていっているということを考えると、これからはもっとひどくなっていくんでしょうね。

小倉)日本の企業は社内留保が増えても、それを社員に回すという考え方にはならないんですかね。

森永)これは私の説です。まず、経営者報酬の決まり方が変わったんです。かつては上場企業でも社長の年収は2000万~3000万円でしたが、今はその10倍ぐらいもらっています。その年収がどうやって決まるかというと業績連動給与と株価連動給与の二本柱なんですが、従業員の給料を押さえ込んで会社の利益を増やすと業績連動給与が増えるんです。それを分配せずに会社の中に利益をため込むと会社の価値が上がりますから、株価が上がって、さらにお金が入ってくるという仕掛けなんだろうなあ、と私は考えています。

小倉)物価がここまで上がって、なおかつ社員の給与が増えていかないのであれば、格差はもっと出てくると思うんです。

森永)そうです。日本はすでにアメリカと並ぶ格差大国になってしまっていますから、もっとひどいことになると思いますよ。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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