ジャーナリストの須田慎一郎が9月5日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。新型コロナ感染者数の全数把握見直しについて解説した。
新型コロナ感染者数、全数把握の見直しについて
新行)新型コロナ感染者の全数把握見直しについてです。9月2日から、届け出対象を重症化リスクのある患者などに限定する仕組みが、宮城、茨城、鳥取、佐賀の4県でまずはスタートしたということです。
須田)日本時間9月4日時点の、ジョンズ・ホプキンス大学による日別ごとの新型コロナ感染者数の一覧表が出ています。それを見てみると、日本よりもはるかに低い数字です。
世界は既に全数把握していない ~未だに全数把握にこだわる日本はガラパゴス化
新行)もう数えていないということですか?
須田)もう数えていないのです。全数把握していないし、アメリカにしても感染者数の数字は日本から比べると、あまりにも少なすぎる。私は8月上旬にアトランタのアメリカ疾病予防管理センター(CDC)へ取材に行ってきたのですが、「全数把握していません」ということでした。
新行)全数把握していない。
須田)「では、これはどのような数字なのですか?」と聞くと、一部の研究所やメディアから上がってきたデータだけを発表しているのだと。「増えているのか、減っているのかだけの指標にしかなっていません」ということでした。
新行)そうなのですね。
須田)世界標準では、もう全数把握はしていないのです。世界はもうアフターコロナの状況に入ってきている。コロナの収束はみていないけれど、「もう強制的に収束していきましょう」という状況になっているのです。それを未だに全数把握にこだわっている日本は、ガラパゴス化しているのだと思います。
現在の「2類相当」から「5類相当」へ引き下げが適切なのかを見極めることが先
新行)今後、この把握の仕方は、いずれ全国一律で調整していく方向ではあるということです。それに先駆けて、まず4県で始まったということですが。
須田)なぜいま、全数把握をしなければならないのか。「全数把握しなければならない」という建て付けになっているわけだけれど、それは感染症法上、法律によって義務づけられているのです。PCR検査で陽性になったら、医師は保健所への届け出が義務づけられています。
新行)そうですね。
須田)なぜ全数把握の見直しを行うかというと、保健所業務が回っていかない状況になっているわけです。だから見直しをしようと。
新行)保健所が回らないから。
須田)それは違うでしょう。2類相当にしているから回っていかないので、5類に引き下げるということです。では「5類に引き下げることが適切なのかどうか」ということを見極めるのが先なのではないかと思います。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。