中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が9月8日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。自民党所属国会議員の接点に関する点検結果の公表について解説した。
自民党、旧統一教会との接点 ~点検結果を8日に公表
新行)自民党はきょう(9月8日)、旧統一教会との接点に関する点検結果を公表する予定です。
野村)アンケート結果を集計して、場合によっては先週にも発表しようという動きがあったのですが、戻ってきた回答の内容がさまざまで、詳しく書いている人もいればスカスカの人もいたということです。そのため延期して、きょうの発表になったということです。
新行)なるほど。
野村)穿った見方をすると、総理が閉会中審査をするので、その前に出すよりも審査後に出そうという思惑に見えなくもないのですが。ただ、私が知っている限りでは、出そうという意欲はあったのだけれど、内容がバラバラだったことは事実のようです。
聞き方によっては信仰告白になってしまう
野村)大事なのは今回、「何を点検しているのか」ということです。自分の秘書に「どんな宗教を信じているのか」ということを聞くのは、やってはいけないことにもなりかねません。
新行)そうですね。
野村)「旧統一教会と関係がありますか?」という聞き方だと、「関係があるかないか」だけのようにも思われがちですが、「いや、私は他の宗教を信じています。だから違います」というようなことになると、信仰告白を求めるような側面が出てくるので、慎重に対応しなければならない。ですので、「そこまでできません」というような人たちもいて、回答がまちまちになっているということだと思います。
宗教団体にもロビー活動は許されている ~「お付き合いしてはいけない団体」と関係を持ったことが問題
野村)今回の事柄に関して言うと、いちばん大事なのは何が問題なのかということです。宗教団体と政治の関係が問題なのではありません。宗教団体が政治活動することは一切禁止されていませんし、自分たちの宗教が有利になるようにロビー活動をすること自体は、おかしいことではありません。
新行)そうですね。
野村)いろいろな団体が「自分たちの業界を守って欲しい」とロビー活動をしているのと同じように、政治家にはみんな利害関係を持ってアプローチしてくるわけです。そのなかで政治家はお付き合いしていい団体と、してはいけない団体をきちんと区分けしなければならないのです。
新行)お付き合いしていい団体と、悪い団体と。
野村)お付き合いしてはいけないところに、この団体が含まれていたけれど、関係を持ってしまったというところが唯一の問題なわけです。
新行)お付き合いしてはいけないのに。
野村)政治と宗教を切り離さなくてはいけないような言い方で、政教分離の議論にしている人がいますが、根本的に間違っています。団体の1つとして宗教団体が関わることは問題ないわけです。
新行)団体の1つとして。
野村)だから他の宗教団体もたくさんアプローチしてきています。自民党だけではなく野党に対しても、他の宗教団体が積極的に働きかけているところもたくさんあるわけです。
社会的トラブルを抱えている団体とは接点を持たない
野村)団体の性質が問題だとすると、「他にもそういう団体があるでしょう」ということで、先日茂木さんがあるテレビ番組で……。
新行)NHKの「日曜討論」ですね。
野村)ちょっと炎上したことがありました。なぜ炎上したかと言うと、「共産党と過激団体が関係している」と言ってしまったからです。しかし、この2つは仲が悪いですから、基本的に関係していないと思います。レッテルを貼ってしまったことで炎上したのです。
新行)レッテルを貼ってしまったことが。
野村)問題の本質は、社会的トラブルを抱えている団体とは接点を持たないということです。この問題を整理することは大事です。例えば反社会的勢力と政治家がお付き合いするのはダメだということと同じ問題なので、枠組みを明記しようと思って発言されている部分については、私はポイントをついているのではないかと思います。
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